8日目
白、それは清廉だ、純粋だ
何にも染まっていない
しかし何にでも染まる余地がある
何かに染まってしまう可能性がある
染まる、それは経験を重ねるということだ
多少染まったとしても本質は変わらない
名前は変わっても白は白だ
対して透明は孤高だ、孤独だ
何にも染まることが許されない
何とも分かち合えない
染まってもクリアではあるかもしれない
しかし澄み切ってはいない
色がついた瞬間に崩れてしまう
それでも僕は透明でありたい
7日目
静寂の自室
僕が僕になれる時間
何時だって、昼だって僕は「僕」だ
でもそれは本当の僕ではない
仮面を被って着飾って
平気なフリして笑っている
そうして「僕」は僕がわからなくなる
自室に帰ると涙が込み上げる
泣いているのは僕だろうか「僕」だろうか
真夜中の冷たさに、静寂に溺れたい
6日目
愛していればなんでも出来ると思っていた
何にでもなれる気がしていた
愛には見返りがない
いや、見返りを求めないのが愛と言うべきか
それでも追いかけるのは楽しかった
愛する気持ちだけを持って
純粋に、一途に、真っ直ぐ追いかけた
そうして辿り着いたのは荒野だった
あんなに愛していたはずなのに
手に入れてみればちっぽけで
これ以上愛せるかわからなくなっていた
手に入らないからこそ美しい
自分のものにならないからこそ愛せるのだ
だから愛があれば何でもできるし何も手に入らない
5日目
僕は何処を歩いているのだろう
いつからか足元が見えなくなった
正しさの上を歩いていたはずなのに
優しさの上を歩きたかったはずなのに
いつしか人の波に押され道に迷っていた
だから僕は一生懸命人波を抜け出した
自分自身の道を歩くために
自然体の自分でいるために
弱々しくも心になびく風を感じ
感情の赴くままに歩いていきたい
4日目
愛を謳って哀を詠った
iを嘆いて愛を叫んだ
僕らの世界ただただ曖昧
変わり映えのない虚ろな世界
交わることない僕らの未来
分かち合えないことに後悔
やるせないのは僕だけかい?
恋に恋して来いと願った
故意に恋して愛を願った