真夜中
憂鬱な朝から逃れるため
独り画面と向き合う
情報の渦に飲み込まれる
なにもない自分ではいけない
誰かの発信なしには生きれない
世界に共有される何気ない言葉が
今ここに生きているはずの自分を
その存在を思い出させてくれる
何かを獲得した実感がなければ
停滞し続ける己を認めることになる
新しい情報が更新が必要だ
感情を言葉にできない
自分でもどう感じているのかわからない
誰かの言葉を借りてでしか表現できない
からっぽな中身を知られたくない
どうしようもない自分がみんなにバレて
見棄てられてしまうのがこわい
ずっと恐ろしくてたまらない
私の目に映る『人』は恐ろしい姿をしている
おんなじ形をもっているようで
時として得体の知れない化物となる
私の言葉ひとつで笑みを消すあなたも
大切なあなたを自分のためなら
簡単に見捨ててしまう私も
わかりあえているようでなにもわかってない
あなたのこころが解らない
理解できないものはとても怖いのだ
初めて私達人類の住むこの地球が
億千万の星々の内の一つでしかないと知った時
幼心ながらに絶望したのを憶えている
現在の私を苦しめる問題やささやかな幸せ
この大きな地球に住む人々の生活
それらを乗せて回り続けるこの地球
そのすべては特別なものではなくて
当たり前のようにいつか滅びる儚いものなのだと
それから時は経ち私は少しおとなになっていた
プラネタリウムで隣の席
星たちの物語を楽しげに聴くきみを見ていると
昔の自分が思い出された
あの時溢れた星は私を苦しめたけれど
この空に浮かぶたくさんの星たちのように
今きみの笑顔が溢れていた
つらかったでしょう
痛みから解放された安らかな瞳は
私に消えない重りを残した
長いこと苦しむことになっても
生き続けることを選んでくれた
私を一人にしないため
あなたがくれた暖かさを
これからは私が与えられるよう
遺されたものは生きなければ