夢の中にふたりきり
あなたは独りで泣いていた
わたしはあなたを見つめている
「あなたは誰なの」「何で泣いてるの」
そう尋ねても応えはない
透明人間になったみたいに
わたしの意識はふわふわと漂うばかり
あなたは只々泣いている
つまらない意地を張るわたしの代わりに
涙の理由は聞けないけれど
きっと答えはわたしの中にある
あなたの幸せを願って
あなたを忘れてしまわないように
わたしは目を覚ました
一人では食べ切れないパフェを
二人で分け合ったとき
遠くに聞こえる祭囃子に
小走りになるあなたの背を追うとき
楽しい休日の終わりに
次いつ会えるか聞くあなたの笑顔
あなたがくれた
心躍る毎日が胸に浮かぶ
あなたを突き放して
思い出にたあの時から
わたしの心にぽっかり空いた穴は
何をしても埋めることなんてできなかった
部屋に飾っていた
二人笑顔の写真を破り捨てた
私の中からあなたを消すために
どんなにつまらないことでも
何も考えずにそれなりにやってると
案外すぐに終わってしまう
味気ない日々を変えようともせず
時間だけが無意味に過ぎ去ってゆく
今日も大切な一日を無駄にしてしまった
これからもずっと頑張れないままで
この尊いはずの命は
無駄に終わるのだろうか
夜空一面に花咲いて
ドカーンと響く夏の音
綻んだ顔にときめいた
『このドキドキがバレないように』
ぎゅっと握った手離さぬように
もしもタイムマシンがあったなら
それに乗り込んで過去に戻って
君の息の根を止めてしまうのだろう
君と過ごした日々はとても楽しくて
今の自分を形作っている大切なものだ
でもだからこそ壊してしまいたくなるんだ
君のことが大好きなはずなのに
少し憎んでしまう気持ちもあって
どうしようもなく苦しくて
今の自分は幸せだけれど
もし君が居なければ自分のこんな醜さを
知ることはなかったのだと思うと
もう一度やり直して
今の自分とは違う結末を見てみたいんだ
あの時君と会ったのが正しかったのか確かめるために