これまでずっと
自分は無敵なのだと信じて疑わなかった
隣にはいつも君がいたから
強い自分でいられたのだろう
僕は何があっても折れなかった
君を守るためなら何でもできたのだ
どんなに怖い奴等相手にでも立ち向かえた
君の前ではかっこつけたかったんだ
君が僕の前からいなくなってから
僕の中のヒーローはいなくなってしまった
キラキラ輝いてたあの日々には戻れないのに
僕はその思い出に囚われたままでいる
土砂降りの雨
生温い風が私の思考を溶かしていく
濡れた髪が肌に張り付いて鬱陶しい
早く帰らねば
ここではないどこかへ
自分を知る人が一人もいない
遠いところに行き着いた時
もうなくしてしまった
当たり前が恋しくなる
でももうきっと手遅れなのだろう
独りぼっちになってはじめて気付いた
今まで何気なく過ごしていた日常は
私という存在を形作るなのに
なくてはならない大切な物なんだって
こんなからっぽな自分のことを
誰も覚えていないのだろう
君と最後に会った日のことを
私は1日たりとも忘れられずにいる
君が私の前に現れたことによって
私はじめて屈辱というものを味わった
君が現れるまで私はつねに1番だった
テストの点数でも足の速さでも
私に勝てる子なんて一人も居なかった
なのに君は私を易々と追い抜いていった
私のことなんて眼中にないみたいに
私じゃ君の背中を捉えることすらできなかった
私は自分がいかにちっぽけな存在であるのか思い知った
けれど君はある日突然居なくなった
周りに何も言わずに遠くへ引っ越してしまったらしい
まるで君なんてはなから存在しなかったかのように
私の非日常は終わりを迎えた
君はきっと私のことを覚えてないのだろう
それでも私は最後に会った君の姿をずっと
忘れることなんてできないのだろう
この胸に空いた穴は一生塞がらない
毎日毎日お世話をしていたのに
あなたはどんどんさの鮮やかさを失って
最後には枯れてしまった
遥かに短く儚い命
それでもあなたはキレイだった
私もいつかはあなたのように枯れてしまうのだろう
最期はあなたみたいに美しく散れたらいいな