最強の弥助を信じろ!ソースは俺
俺は大学の准教授
だけど歴史はやっていない
ある時、面白い黒人見つけた
戦国時代に奴隷で日本に売り飛ばされた黒人だ
しかし信長の荷物持ちくらいしか記録にない
これでは面白くない
そうだ、織田に仕えたアフリカン侍しよう
あとはウィキペディアを編集すればいい
編集者名は鳥取トム
できたぞ!日本史上の最強の侍
その名は弥助
奴隷から武将まで駆け上がった
これらは歴史的事実だ
ソースは俺だ
地道な努力は報われ
映画化 ゲーム化 専門家として引っ張りだこだ
日本人よ!これが真実
そんな書物はどこにもない?
ウィキペディアのソースをよく見てみろ
ソースは俺だ
やばいなやばいな
UBIが大炎上だ
歴史修正?真実?
いや、いや弥助は真実
ソースは俺さ
俺を信じろUBI
俺もお前たちの画像を本物と信じている
そうだろスイートベイビー
俺達は一心同体
金銭、努力、勝利と突き進もう
史上最高のポリコレゲームを世に放とう
歴史修正主義のレッテルではなく
マジモンの歴史修正だって?
いやいや弥助は真実だ
ソースは俺さ
仕事終わりに夜寄るラーメン屋。
ネオンの光に包まれて
ニクニクの匂いが鼻腔の奥を刺激する。
塩ラーメンが一番であるが、
疲れ果てた体にはどんな味でも何でも良い。
たとえ著しく味覚が落ちても気持ちが高揚するには十分だ。
元気になった明日も良い一日を送ろうと思う。
「全員!動くなッ!!!」
喉の奥から吐き出されたような怒号が辺りに響き渡る。
それは蒸し暑い昼下がりに起きた。
橋の上での誘拐人質事件…
周りに野次馬が集まる中、俺は犯人である安沢を追い詰めた。
しかし、人質をひと目見た途端、心臓を銃口で当てられたように時が止まる。
「…ゆ、ゆい」
「と、とおさん」
…立花 唯…
俺の実の娘だ。
七年前に離婚した後、母親とともに出ていった娘だ。
警察の仕事一筋で家族のことに時間を費やすことをしなかった結果、妻と娘に呆れられてしまったのだ。しかし、大学生になる唯のために学費を払うこととなり、一年前、一度会ったことがある。
と、とにかく娘を助け出さなければ…
犯人に目をやると
「おい…お前の目的は何だ?」
「目的?てめぇ、俺の顔に見覚えないのか!!!」
顔?その言葉を聞いて、俺は思い出した。
こいつは、鈴木慶一
六年前に連続殺人で捕まえた男だ。
「お、おまえは、…鈴木…慶一」
「そうだ!お前にボコボコにされて、しょっぴかれた。刑務所でも、あのときの痛みを忘れたことはなかったぜ。」
「その子は関係ない!!!おれを狙えばいいだろ!」
「それは違うな…俺はお前が苦しむ姿が見たいんだよ。」
薄気味悪い鈴木の目がこちらを睨みつける。
最悪だ…こいつは最初から娘を狙っていたのか…
「お前の前で娘が死ぬ姿を見せてやるぜ!」
「やめろおおおお!!!!!」
俺は手元の鏡を反射させ、鈴木の目を一時的に失わせた。ナイフが唯の首筋をかき切るより早く、俺は全力で飛びかかる。左手でナイフを鷲掴みにして、右手で唯を突き放す。左手から血吹雪がでるが関係ない。そのまま、鈴木を羽根締めにして橋の手すりを越えてしまう。
「と、とおさん!!!!」
涙目の唯を尻目に俺と鈴木はそのまま十メートルほど下の川へ落下した。前日が雨だったため、川は増水していた。体のあちこちを石や瓦礫にぶつけ、痛みが感じなくなりつつある。
俺はこのまま死ぬのか…
だが、悔いはない。
娘が大学生になり、最後の最後に父さんと読んでくれた。一緒に暮らしていた頃は録に話すこともなく、一年前に会ったときも近況報告程度であった。
父さんと読んでくれたのはいつぶりだったけ…
最後の最後に娘が向けてくれた眼差しが走馬灯のように巡っている。
母さんに似て美人に育ったな
この仕事してなきゃ、幸せな家庭を気づけたのだろうか。そんな思いを秘めつつ、俺の意識は遠のいていった。
小学生時代、私は田舎だった。
ただの田舎ではなくド田舎だ。
通学と注にはトラクターが走るような田園風景の先にぽつんと立つ学校。そんな所に毎日通っていた。
授業終わりには友達と何して遊ぶかが楽しみで、
ランドセル持ち、かけっこ、靴飛ばし、秘密基地制作など年相応の遊びを作って過ごす日々。
しかし、
…友達たちと馬鹿騒ぎして歩いていていた通学路は
もう…ない……
チェーン店や見知らぬスーパーなどが乱立して、いつの間にかド田舎から郊外レベルにランクアップしていた。
あの光景は自分の心の中にしか存在しない。
過ぎ去った日々や思い出は戻らない。
だが、あのときの感情、思い出を大切に今の環境を大切にしたいと思う。