天気雨

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6/19/2023, 2:04:25 PM

渇くことない飽くなき欲望の瞳と相合傘

3/2/2023, 2:39:00 PM

私はその日も結局ふつーに家に帰ってゴロゴロして、
テレビをグルっと体をひねりつつ見ていたり、
知り合いと連絡を取りあって居たりしたんだけども、

ただ、どーにもこーにもな陰鬱さと鬱陶しさが胸の中にあったんだ。

やっぱりそーゆーのはどうにもならないしで
煙草でも吸おうかと思いもしたが、お外はヒヤヒヤだし、中で吸ったらそれこそ後の過去が足を引っ張る。

んっーと、とかなんやら考えてる内に
ムカムカしてきて、居てもたってもいられなくって。
その辺のアウターを片腕だけ通して、もう片方の手でぽっけを弄り倒してライターと煙草を掴んで、足元を見ながらのんのんと歩を進めた。

ゆっくりとカーテンを開けた。のんびりと。
外に出るために窓を開けた。ヒヤヒヤとしている。
空けた。あるいは退廃的に。退廃な私

希望を見た。嘘じゃない。
ねむるこの街にみんなの希望が集まってる。

ふわふわ、ゆらゆら、ゆっくりと。

酷く静かな夜だった。
1寸先まで見えるのに、その先に行った音は帰ってこない、手元で燃える小さな優しさは、私とキスをする度に小さくなっていった。

混ざりあった優しさと退廃的な私は白かった。
優しさはほろ苦く、ほころぶ様にホロホロと眠り、
安心感は少しづつ薄くなっていく。
退廃的な私を上へと連れていく。

存外、煙草はおおく、手元にあった。まだ私を慰めてくれる様に揺らいでいた。一緒に向き合おう。

眠る町は水面の様だった。

ただゆっくりと時間が流れていく感覚を感じる。ぐっとまだ生きていける時間が増える。
私は少し安心する。優しさもユラユラと笑っている。

眠る町の住人を急かすたった一つの希望は
水面には映らない。
どこか退廃的な誰かが優しさに包まれて、モクモクと
雲になり、きっとその雲は水面に映れないから。

その奥にあるものも当然。見えなくなる。

眠る街にまだ彼らは眠る。
私はまたこの夜と燃える炎の優しさにキスをする。
ねむる町は海のような優しさに包まれる。

みんなを導く光は届きはしない。たった一つの希望。

今は、今くらいはいいだろう。
たった一つの希望がなくても、もっと大事なものと。
彼らはねむる。彼らをゆっくりにする優しさと。

だからこうして、外に出た私は思ったんだ。

そんなに悔しそうにしなくてもいいだろう。
うさぎさん。

たった一つの希望

3/1/2023, 3:54:31 PM

悪いね、気分よく飲んで呑まれて、さぁ堂々の幕引きのなるであろう時に話す事じゃないんだが
聞いてくれるかい?

ありがとう、最後まで付き合ってくれて。

こうやって飲んでいた時の話さ。

僕はね、時々、その日の友人を忘れられないんだ。

あぁいや、別段その友人に不幸があって、会えないとかではないんだけども、記憶には残ってる。
常にそいつの事を考えてる訳でもないんだが、
春先の夢よりかはスッと胸の中に居るんだな。

彼はね、特別な事を言ったわけじゃない。
ただ、夢を語ること。
それも睡眠時に起こる夢じゃなくて、自分の胸に秘めて燃えて、燃えて、

冷めなくて、覚めない、醒させてくれないもの。

彼の趣味は、んー。その時はなんだったかな。
星座を見ていた気もするし、何か哲学書にハマっていた気がしなくもない。

あぁ、話が端的すぎるって?いやはや申し訳ない。
語る口には慣れてないが話す言葉は多いもので。

でだ。彼はあの日に僕らに宣言したんだよ。
何だったかな、とても小さく矮小で、でもそれは

豆の木よりずーっと、大きいものだった。

恥ずかしながらあの時の僕は非常に感銘を受けたし、
よしやってやろう!って気分になったんだよね。
手元の甘いりんごジュースみたいにさ、外見は真っ赤に燃えていたが、うちはまだ途中だった。色的にね。

そうして僕らは素面で夢を語ったのさ。
寄って酔われてそうして作り上げたんだけどね。
まぁいつの日か失っちゃったんだ。

原因なんて覚えてないよ。最後の音はギシギシだったか、ギコギコだったか、ガコガコだったかくらいの差だしね。実際は無音だったし感傷もなかったけれど。

出来ることも少なかったし。
やれるって思うことも少なかった。
だから簡単に欲望に負けられた。

まぁ今になっては欲望に満ちて溢れた。ただの人で。
あれしたいーこれしたいーが
ほんとに少し手を足を伸ばせば実現可能なせいで
満ち足りてしまっているんだけれども。

じゃあ何が言いたいかって。
僕はね、だから酔いの力を借りたかったんだ。
雰囲気でも、酒でも、睡眠不足でも。
言ったもん勝ちって事を
今、語って思い出したからね。

明日は早起きしてベランダでコーヒー飲みたいね
きっとそうさ。

ただこれだけでいいや。僕は。それだけでも
欲望に負けられる。そんな人になってる。

君らもそうだろう?そうであって欲しい。
ぼくのふるき友人たちへ。明日は何を変える?
素面で語るのはなかなか恥ずかしかったけど、
楽しかったよ。ありがとう。

変わった事があったら、ついでにさ。

僕をほろ苦い珈琲屋さんに誘ってよ。
それだけで僕には伝わるから。

欲望