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4/30/2023, 8:57:53 AM

風に乗って、あなたの香りが飛んでくる。

その風は君の髪をなびかせる。

恋は風に乗って、想いを届ける。それは香りだったり、手紙だったりするだろう。形は様々だ。


君が死んだと、風の便りに聞いた。病死だそうだ。
君は海が好きだった。だから、骨は遺言通り海に撒かれたらしい。

私の涙も、いずれは海に流れ君と一緒になる。ああ、それは望ましい。そんな幸せはない。

だけど、その前に。君の骨が、その粉が。風に乗って、私の元へ飛んで来ないかと、帰っては来ないかと、海を越え、私は空を見上げた。

4/29/2023, 7:51:01 AM

刹那。きわめて短い時間。瞬間。

そんな、刹那の時間で人生が変わることがあると教えてくれたのは、君だった。

私が君を好きになったのにはずいぶんと時間がかかったように思う。ただ同じ空間を共にする仲間ではあったが、仲良くはなかった。

それがいつしか縁が結ばれ、私と君は親友になった。不思議な縁だ。きっと私と君に繋がる糸は、他の誰とも違う色をしているのだろう。

私は恋する乙女だった。いつも誰かに恋をしていた。誰かを目で追いかけていたし、夢に見ることすらあった。

ずっと、遠くの彼を見ていた。見ていた、その目を、ふと隣の君に向けただけ。その刹那、君の笑顔が私の胸を刺した。

それから、私と君の距離が変わっても、私はずっと君を見ている。君の影を追っている。誰とも違うこの縁を頼りに、逃がすまいと必死に追いかけている。

私は過去の奴隷だ。逆らうことも、逃げ出すこともできずに囚われている。私と君の、過去に。