燃える葉
カラカラした葉っぱを集めて火をつける。
アルミホイルを巻いたサツマイモを中にいれて。
そういえば枯葉に火ってつけていいんだろうか。
黒い煙のせいで消防に通報されないだろうか…
だんだん不安になって来て、火を消した
なにも深く考えず、自分でつけた火を消した。
少し調べたら もしかしたら消さなくてもよかったかもしれない。
けれど、私はそんな選択肢に気づけるような人間ではなかった
月光
満月がキレイな日、お風呂場の電気が壊れて
スマホの電気をつけながらはいろうと思ったけど
壊れそうでやめた。
月の光が思ったより明るくて、淡い青白い光の中
水の音が響く。
浴槽がキラキラしてそうだけれど半分蓋を閉めっぱなしだからわかんないや。
なんだか幻想的な気がしたけど、夜すぎて怖いな。
上がったらアイス食べよう。特別に
感情が高ぶってしまって、流れ落ちる。
困るだろう、急に泣かれちゃ。泣いて解決するなんて思ってないし、格好悪いから泣きたくないんだ。
慰めてくれるのは嬉しいけどそんな事求めてない。
「ゴメンね、私急に… 気にしないで。」
「幸せになってね。一人でも、誰かとでも。」
強がって、そんな事しか言えない。
行ってしまう。追えない。彼女を
コーヒーが冷めないうちに
「アイスコーヒーをひとつお願いします。」
彼は猫舌だから、といつもと同じものを注文する。
僕は火傷してズタズタな舌に追い討ちをかける為に
熱いコーヒーを注文した。
窓から夕焼けの光が入って目が痛くなる。
伝えなければならない、コーヒーが冷めないうちに。
パラレルワールド
「私は今、幸せに生きているから別の世界の私は
どうしようもなく辛い人生を生きているんでしょうね。
私が突然身体が痛くなった時はきっと、別の世界の私が大怪我をしてその痛みを少しだけおすそ分けされたんでしょう。
たまたま幸せなルートを歩んでいる私は…私は…」
彼女は伏し目がちに、おかしな独り言を呟いていた。