『眠りにつく前に』
俺のナイトルーティーンは、
寝る前に激辛のラーメンを食うことだ。
まぁ別に辛いものが好きなわけじゃぁない。
太るだろって?
そのために毎日筋トレしてるわけだ。
少しでも長くあいつを思い出すために。
『奇跡をもう一度』
ある1曲で私の人生が変わった。
仕事も10倍に増えた。
友人も増えた。
ずっとずっと何度も何度も
色んな曲を書いて色々歌ってきた。
やっとそれが報われた。
**
あれから2年。
変わったと思った人生は変わっていなかった。
仕事も今じゃ昔と変わらない。
「友人」達は有名じゃなくなった人に
興味はない。
もう1度もう1度、有名になってやる。
もう誰の記憶からも消えさせはしない。
もっともっと大きな奇跡を起こしてやる。
『カレンダー』
11日
慣れない部屋で夏のどんよりとした灰色の空を見上げる。
31日
今日も満点の星空が窓から見える。
19日
台風のようだ。雨がやまない。
27日
ほしがみえない。ほしあかりがきえた。
『開けないLINE』
「私アメリカに留学するんだよね」
「えぇ!!凄くない?!」
そんな友達の会話を寝ているふりをしながら聞く。(私には言ってくれなかったのにな、)と心の中でつぶやく。
留学に行く彼女は私と1番仲がよかった。高校は違うけどずっと一緒だと思ってた。
**
半年後、友達は留学直前になって
「そういえばさ〜私留学するんだよね!10分後にw」そんな能天気なLINEが送られてきた。
「私の気持ちも知らないでさ、何度も何度も笑って送りだそうって自分に言い聞かせていい思い出にしてやろうって思ってたのに」
「遅すぎるよ、、、」
呟くと同時に空港に走り出す。
『海へ』
夜の静かな海に1人の男の水に喘ぐ声と波の音。
波は男を弄ぶように右に左に押し流す。
男は少しでも空気を取り込もうと水面に顔を上げるが波が押し寄せ口に大量の水が入る。
男はたまらず咳き込む。
すると海は、急におもちゃに飽きた子供のようにこのゲームを終わらせる。
大きな波が男に押し寄せ岩礁に叩きつけられる。
骨が折れる鈍い音がし、一気に深海に引きずり込まれる。
呼吸が途絶え、心臓が止まる。
**
男は自分の家の前に立っていた。
太陽は傾き初め、辺りに紅い光を落としていた。
「死なないと」