『待ってて』
「いつまでも待ってるからっっ...!」
恋人は目に涙を浮かべながらそう言った。
僕のような最低な殺人鬼でも
待っててくれる人はいたようだ。
僕の懲役は無限。
つまり無期懲役だ。
いつ帰って来れるなんて分からないし、
帰って来れないと思う。
今まで人に言えないような
許されないようなことをしてきた。
全て楽しみながら。
でも君がいてくれたから
それが悪い事だと分かった。
君にはもう会えないよ。
君には幸せになって欲しい。
僕を待たないで欲しい。
全部君が好きだから。
だから......
「ありがとう」
『伝えたい』
──遺言状──
この私が死んだら私の財産は全て
彼女、さとみさんに渡してください。
1度も言ってあげることは出来なかったけど、
今だから言えるよ。
「愛してる。ごめんね」
「こちらこそ愛してるよ...」
葬式後に読まれた遺言状にこう呟いた私。
周りには年の差ながら深く愛し合っていたように写ったことだろう。
......嘘ではありませんよ?
私はこうして2千億円手に入れれたんだから。
『良いお年を』
「今年も終わりか」
「色々あったねぇ」
そんな何気ない日常が
いつまでも続きますように
〇〇〇〇Dream
初めてから半年らしいですね
来年もマイペースに投稿続けたいと思います。
(今日の投稿は平和でしょ?年末年始だからね)
見て頂いた方々ありがとうございます!
『みかん』
わたしはみかんが好きだ。
人生の大切な時、
いつもみかんが近くにあった。
みかん農家の祖母が毎日みかんを剥いてくれた。
名前がみかんな子と友達になれた。
大学受験の時、父と母がみかんで元気を出させてくれた。
仕事で疲れた時、実家から送られてきたみかんを食べるととても元気が出た。
ある日、みかんが送られて来なくなった。
その日のうちに祖母が亡くなったと連絡が来た。
**
「あなたはいつも純粋で愛らしい人で、本当にみかんが好きだよね。
そんなあなたなら新しい生活もきっと楽しく過ごして行けると思います。
これからも親友でいてね。
友人代表 みかん」
わたしの結婚式にはみかんの小さな可愛らしい花が咲き誇り、祖母の農場で作られていた最後のみかんがウエディングケーキとなってわたし達の新しい生活を見守っている。
『鏡の中の自分』
鏡の中の自分は最高にイケメンだ。
鼻筋な通った高い鼻、くっきりとした大きい目、シュッとした小顔、毎日丁寧にケアする肌、1時間かけてセットする髪。
そして、学年トップクラスの頭脳、なんのスポーツでもできる運動神経。もちろん整形なんてしていない。(そんなの必要ないイケメンなんで)
「今日も完璧だねぇ俺は」
**
数時間後、俺は何故か病院にいた。
医者の話を寝ながら聞く限り高校に行く際に事故にあったらしい。
突然顔が焼けるように暑く、痛くなってくる。
医者に鏡をもらい見る。
「は?」
顔全体に包帯がかけられている。
「あ〜顔ね、事故の影響が1番強くて、
元に戻らないね」