『夜の海』
昼、海では太陽の光が輝き、夏を演出している。
夜、海では月の光が反射し、夏を演出している。
同じことをしているように見えるけど
している事は全然違う。
それは人間でも同じである。
1人1人が同じことを目指しているが、やり方は人それぞれ。
昼の海のように明るく輝き、目標に向かう人もいれば
夜の海のように暗く神秘的に、目標に向かう人もいる
我らの母なる海はいつも大切なことを思い出させてくれる。
『太陽』
「もう僕を温かい眼差しで見守ってくれるのは君だけだよ」友人にも恋人にも両親にも見捨てられた。そんな僕に優しくしてくれたのは太陽だけだった。そして僕は太陽の虜になった。
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15年後、僕は有名な太陽研究家として名を馳せていた。
「あぁ、生命の源よ、僕達の大いなる母よ、僕はあなたのもとへ行きます。」
ロケットの豪 轟音とともに僕を乗せたロケットは太陽のもとに旅立った。
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長い時間をかけ、太陽の目の前に到着した。僕はロケットを降り重力のない世界で太陽に向け泳いで行った。太陽の熱で宇宙服は溶けてしまったが、たどり着いた。太陽目掛け飛んでいく。
「さぁ、君の心を僕に見せておくれ」
『鐘の音』
今年も除夜の鐘が鳴っている。多摩川にかかる橋の下に冬の寒さに震えながら、ホームレス仲間のおじさん達といつもよりちょっといいご飯を食べると91回目の鐘が鳴る。明日生きるための求人情報を見る。
その時、近くの草むらから火の手が上がる。後ろを見ると高校生らしき人影が笑いながら去っていくのが見えた。だとしても私に通報する手段も逃げる手段も残されていない。
近くの神社から108回目の鐘が鳴らされた。
『だから、一人でいたい』
中学からずっと一緒にいた友達。高校になったある日、その友達と別の人が話しているのが聞こえた。
「なんであの空気読めないし、可愛くもないやつと一緒にいんの?」
「だって〜私そんなにかわいくないでしょ?だからあいつと一緒にいたらちょっとはかわいく見えんじゃん。あとあいつ課題とか見せて〜って言うとすぐ見せてくれるからさ。ガチでありがたいw」
小学校も頃のそんなことがあった。もう友達はいらないと思ってた時に友達がいる良さを教えてくれた。
「だから、一人でいたいのに」
『澄んだ瞳』
1人で部屋にいると視線を感じることがある。視線の主はぬいぐるみである。黒の澄んだ瞳でこちらをじっと見つめてくる。ある人からもらった大切なもの。
「もうこんな時間か、学校行かないと」
時計を見ながら言う。ドアを閉め鍵をかける。
「「「撮影を終了します」」」