サブリミナルレモン

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9/21/2025, 2:15:50 PM

「虹の架け橋」

土砂降りだった雨がピタッと止んだ。
渡り廊下の掃除をしている最中に
君が「あっ」と指を指した方向を見ると
虹ができていた。

「虹はね、必ず太陽の反対側に出来るんだよ」と
君が教えてくれた。

「へぇ〜、じゃあ君は虹を見つけやすいんだね」
僕の渾身の告白。

いつも眩しい笑顔で笑う君が
恥ずかしそうにそっと頬を赤らめて呟く。

「どう言う意味かちゃんと聞きたい」
「太陽のような君が好き」
「私も君が好きだよ」

君という存在への架け橋になってくれた虹は
太陽の次に好きなもの。




9/19/2025, 2:26:43 PM

「秋色」

暑い夏の間は「早く秋が来ればいい」と
願っているのに、いざ秋を感じるとなぜか
切ない気持ちを思い出す。

秋は好き。だけど、涼しい秋の風を感じて
思い出すのはちょっぴり苦い記憶たち。

sonyのウォークマンで曲を聴きながら
こっそり泣いていた高校生の自分。
でもこんな思い出も今となっては愛おしい。

ノスタルジックな感情に酔いたい日が
あったっていい。これが私にとっての「秋色」。

9/18/2025, 1:03:46 PM

「もしも世界が終わるなら」


もしも世界が終わるなら、
いつもならしないちょっとした贅沢をしてみたい。

世界の人々が皆平等に「最後の日」を迎える
だろうから、当然公共交通機関やホテル、遊園地
レストラン、スーパー、コンビニだってやってない
だろう。

そうなると、家でできる最大限の楽しみ方がいい。

朝からシャンパンだって飲んじゃうし
ケーキを手づかみで食べてみたい。
お風呂にキャンドルをたくさん並べて
アイスを食べながら映画を観るのもいい。

でも世界最後の日じゃなくたって
こんな日があったっていい。

たまには「今日が世界最後の日」と思って
ちょっとした贅沢をする日を作ると決めた。


9/17/2025, 2:06:21 PM

「靴紐」

靴紐が解けるタイミングはいつも悪い気がする。
朝急いでいる時や人混みが多い時など。

いつも「立ち止まっても大丈夫か」と周囲への
若干の配慮をしながら結んでいる。

自動で結んでくれる靴が開発される未来も
あるのではと、いつか見たSF映画のワンシーンを
思い浮かべながら少し期待してしまう。

でもなぜか結び終わると無意識に「よしっ」
と心の中でつぶやいて歩き出す自分に気がつく。

少し前向きになれる言葉をつぶやける瞬間が
嫌いじゃない。

9/16/2025, 1:20:27 PM

「答えはまだ」

自分の人生はこれでいいんだろうか。

死んだ後に天国かなんかで、人生のビデオ鑑賞会
をして自己評価する時間が設けられていたら
「自分の一生」について分かるのかもしれない。

天国とか地獄とかそんなものがあるのかも分からないが、人生のビデオ鑑賞会を想像すると何となく「何もない白い広い空間」を思い浮かべるから、それが自分の想像する死後の世界なんだろうと思う。

自分の一生が良いものなのかどうかの答えは
まだ分からない。

そもそも一生の長さを測れるのは
死を経験した人でないと分からない。

だからこそ、答えがまだない
「自分の人生の正解」を求めて今日も生きる。

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