空白を埋めるように
静かな声が
奏でるメロディーが
優しい言葉が
私の心に染み渡ってゆく
偶然耳にしたこの曲が
その声が
私の心に色をつけていく
初めての感覚
出会ってしまった
私の心臓も
合わせて鼓動をきざむ

台風が過ぎ去って
沢山のものが壊れ
沢山の人が悲しみの中に
地球は
人間が好きではないんだろうか
大地は
海は
どうなんだろうか

ひとりきり
産まれた時は
ひとりきり
消える時も
ひとりきり
それはたぶん
わたしは
ひとりが好きだから

雨と君

ある雨の日
突然の豪雨の中
子犬のように躍り出て
水しぶき上げて
くるくる回った君
別の雨の日
しとしと降り続く雨の中
傘もささずに空を見上げて
泣いているのか
笑っているのか
隣に佇む僕とは
別の世界にいるようだった君

あの頃
中二病をこじらせていた君も
今は大人になっただろうか

言い出せなかった
「 この命の灯火が消えてしまう」
ということを。
あなたはきっと
消すまいと必死にもがき苦しむから
少しでも長く
あなたの笑顔を見ていたい
だから
ごめんなさい