Asuyo

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3/9/2024, 2:34:27 PM

おー、この寒いのに生脚かあ。
若いねえ。
え、そんなに変わらないだろうって?
嬉しいこと言うね、見てよこのもこもこフル装備。
あったかいよ?
あの子達の歳の頃は、寒いからって自分だけ違う格好するのが怖くてさ、無理をしてでもあの子達みたいな格好していたよ。
寒がりだから冬は辛かったな。
興味もないことに話を合わせたり、共感しているフリをするの大変だったよ。
軽薄そうな顔した男にキャーキャー言ったりさ?
ちょっと引かないでよ、今はそんなことしていないから。
あの狭い世界が全てじゃない。
無視されたって大したことないって今は知っているけど、あの頃はそこだけが全てだと思っていた。
そんな風に思っていなかった?

寒ければ寒いと言える今がね、私には居心地がいいんだ。
ね、手繋いでいい?

3/8/2024, 3:33:48 PM

ざばーん
一週間のご褒美に湯船に溢れる程お湯を張ってふやけるまで風呂に入る
温泉の素だって解禁だ。
生活のために、時間を、スキルを、感情だって切り売りして生きているんだ。
このくらいは贅沢なんかじゃ無い。

ぷくぷく、ぷくぷく
鼻までお湯に浸かり息を吐く。
溜まった悪いものがお湯に溶けていく。
生きていくためにはお金が必要だから、嫌なことだって我慢はする。
でも、それを決めるのは私だ。
あなたじゃ無い。

ああ、脚を伸ばしたい。
明日、本当の温泉行こうかな。

3/7/2024, 2:46:11 PM

私の部屋はベランダが広い。
駅からの遠さも気にならない自慢の部屋だ。
夜中のベランダに折り畳みの椅子とテーブルを出して空を見上げる。
部屋の灯りもスマホも消して遠くから聴こえる電車の音に耳を傾けながら、とっておきのお酒をお猪口に注ぎ月を映す。
湿度の低い冬の夜空は遠い宇宙を身近に感じられる。
こちら地球、こちら地球、応答せよ。
聞こえたら一杯付き合ってよ。
遠く彼方の知らない誰か。

一献献上。
月を映した吟醸酒。

3/6/2024, 3:00:23 PM

雨上がりの道を一人で帰る。
吐く息はまだ白い。
子どもの頃、あいつと一緒に白い息を吐きながら町が霧に覆い尽くされないかと飽きもせず白い息を吐いていた。
はー、はー、ふー。
白い息は広がり消える。

遠くの街で。
あなたの側で。
そこに私はいないけど、大丈夫。
重ねた時間があなたをきっと守ってくれる。

はー、はー、ふー。
消えないものは確かにある。
はー、はー、ふー。
夜空に白い息が広がっていく。

3/5/2024, 2:44:04 PM

どうしたの? 珍しいじゃない。
え、駄目じゃないよ。
電話なんて珍しいから驚いただけ。
うん、こっちは何も変わらないよ。
あー、隣の家の子が四月から小学生になるんだ。
そう、ピカピカの一年生。
友達100人なんて無理だよねー
今でも付き合いがあるって言えるのは君くらいだよ。
何照れてるのさ。
お互いぼっち気質だからかな。
ねえ、本当は何かあったんじゃない?
言いたくないなら良いけどさ。
久しぶりに会おうか?
どうせこっちに戻って来たくないだろうから、そっち行くよ。
うん、うん、後はメールしとく。
たまには声が聴きたかったって、返って心配になるでしょ。

本当に素直じゃ無いんだから。

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