雨上がりの道を一人で帰る。吐く息はまだ白い。子どもの頃、あいつと一緒に白い息を吐きながら町が霧に覆い尽くされないかと飽きもせず白い息を吐いていた。はー、はー、ふー。白い息は広がり消える。遠くの街で。あなたの側で。そこに私はいないけど、大丈夫。重ねた時間があなたをきっと守ってくれる。はー、はー、ふー。消えないものは確かにある。はー、はー、ふー。夜空に白い息が広がっていく。
3/6/2024, 3:00:23 PM