このどうしようもない寂しさを埋められるものは、この世に無いと思っている。
何を見ても、何をしても。
常に心に居座っているんだ。
だから、そう。
互いに凍える心を持ち寄って、「寂しいね」と微笑み合える。
それがきっと、ほんの少しでも。
温めてくれるはずだと信じている。
〝寂しさ〟
幾千もの光を纏って、煌めく街。
この季節の醍醐味でもある。
その光景は多くの人に、綺麗だと思われるものなのだろう。
……いや別に、僕が綺麗でないと思ったわけではない。
勿論、鮮やかに輝く光たちはとても綺麗だ。
しかし、僕の瞳に映っているのはその光たちではなかった。
真っ暗な空に、この世の全ての光が零れたような。
そんな満天の星空が広がるなら、一体どれほど美しいのだろうか、と。
ただ、そう思っただけ。
〝イルミネーション〟
心が痛むほどの愛しさと大切を教えてくれた君に。
僕からはありがとうで溢れた花束を。
煌めく笑顔で誰かさんとの愛を語り、教えてくれた君に。
僕からはごめんねで濡れたクローバーを。
君の幸せが僕の幸せ、だなんて思えなかったんだ。
どうしようもなく我儘な感情を抱く僕は。
〝ありがとう、ごめんね〟
あの世とこの世が。
逆ならば、逆さまならば。
僕は幸せを知れるのだろうか。
〝逆さま〟
夜に呑まれるような、そんな感覚になることがある。
底無しの暗がりに手を引かれるような。
考えたところで仕方のないことが頭の中をぐるぐると駆け巡り、自分の周りを取り囲む静寂という空間に、己の「生」がばたばたと零れて泳ぎ出す。
何も居ない、音の無い空間だが……非常に騒がしくて五月蝿いのだ。
深く深く沈んだ先では、馬鹿みたいに愚かな自分や膝を折り畳み小さくなっている自分と出逢うこともある。
そのどれもに思考を向けるなんてことは到底できやしない。
其処に在る全てに手を差し伸べるなんてできない。
瞼は閉じているはずなのだが、どうも脳はこの世界を捉えているらしい。
嗚呼、何とも厄介なものだ。
そう、
〝眠れないほど〟に。