いつか君と並んで見た夕焼け
茜色に染まる水平線
ゆっくりと沈んでいく夕日とキラキラ輝く水面を
いつまでもいつまでも眺めていた君の横顔を
夕焼けを見ると思い出すのです
あの夕焼けが、また見たいと
#君と見た景色
“あの...すみません、もしかして...◯◯さんですか?”
“!...そうですそうです!!もしかして◯◯さん...?!”
“そうです!あぁ良かった!!会いたかったです〜!!”
“私もです!!えぇ〜嬉しい...っ!!!”
...恐らく『オフ会』というやつだろうか。
カフェの前で嬉しそうにキャッキャと戯れる彼女たちが眩しくて、煩わしくて、そしてほんの少しだけ羨ましく思えて、遮断するようにイヤホンを耳につけた。
会いたいと思える相手がこの世界のどこかに居るだけで
それは、とても幸せな事なのだろう
#叶わぬ夢
叶わないならせめて夢の中だけでも。
色褪せた虚空に価値を見出せず目を閉じた
聞き飽きた音楽を脳に流し込んで
ノイズ混じりの日常と無理矢理紛らせた気は
忘れてくれるなと今日も責め立ててくる
楽しいと寂しい、嬉しいと悲しいは紙一重
彼の止まった時間は動かない
ひらり、はらりと舞う蝶々を追いかけて
ひらり、はらりと落ちた花弁を見つめて
大人にも子供にもなれないまま
一体どんな顔をすれば良いのだろうか
#ひらり
終電が過ぎて静寂に包まれた駅のホーム
見上げれば満点の星空が広がっていた
届かないと分かっていながら
目に入った一筋の光に思わず手を伸ばす
それはあまりにも一瞬で
それはあまりにも遠すぎて
願いを口にする間もなく
ただ見ていることしか出来ない
子どもの頃必死に唱えた願いだって
結局叶っちゃいないけれど
あの日夜空を一緒に見上げた思い出は
今も鮮明に残っている
“さよなら、またいつか”
叶わない願いを口にすると
また一つ星が流れて消えた
あぁ、あれはきっと君に違いない
#夜空を駆ける
「 」
ふと呼ばれた気がして振り返った
そこには誰も居なかった
何も、残っていなかった
#君の声がする