NoName

Open App
3/13/2025, 10:16:05 AM

No.34:『透明 -舞踏会の靴跡-』

透明すぎる靴を脱いで あなたの前からいなくなろうと決めた

真夜中に姿をみせたネズミとトカゲと 裸足で急ぐ帰り道

朝靄にかすむお城で あなたの瞼は 眠りにつくのでしょう

さようなら ワルツを踊り明かした夢が ちゃちなかまどで燃え尽きる

3/12/2025, 7:27:42 PM

No.33:『終わり、また初まる』


悲しいことの連続は活動写真のやうですね
鮮やかに この胸を 傷つけて尚愛おしい

なにゆえ 人は 誠を求め 嘘を 嫌うのです?
フィルムに 焼きついた 嘘には
熱をあげる といふのに。

3/11/2025, 12:08:59 PM

No.32:『星』


まだ見ぬ星をつくるため 僕らは楽園を離れたかったんだ

あなたの眼に映る宇宙(そら) わたしの目指す空 いつまでも重ならない



すべてを0に戻す 君が突然ひとりで泣いたりしないように

神様の目を盗んでふたりきり おでこに誓いのキスをください



青い林檎を持ち去った夜は よく眠れなかったんだ わかるかい?

つたない言い訳を残してきたの 「真実を育てることからはじめます」

3/10/2025, 2:03:27 PM

No.31:『願いがひとつ叶うならば』

願いごとが1つ叶うならば

消え去った願いの数だけ
失恋の痛み止めを処方して

ひりひりと騒ぐ
心臓の高鳴りを帳消しにして

頼むよ

3/9/2025, 9:14:09 PM

No.30:『嗚呼』

駐輪場 自転車さがしてたら すかし前髪揺れて 春がくる

「あんただけ特別」 あの日焼きそばパンをくれたのは ただの気まぐれ?

昨日、想いを伝えるつもりだった 「彼女いる」噂を聞くまでは

とったとか とられたとか みんな話したがる 他人の恋愛事情

悲しくて泣いた 誰にも届かない涙を またひとつぶ生み出した

「置いてくぞ」 サドルに跨る君にも とっくに春は来ていたんだね

恋する時計の針は瞬きの早さで進むって 今気づいた

もう遅い 嗚呼っていう隙もなく 君は遠ざかっていく午後2時

Next