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9/21/2023, 4:02:47 AM

#大事にしたい


残暑厳しい9月、私は父親と喧嘩して


日本を飛び出した。


もう、二度と帰らないつもりで、


パスポートと最低限の荷物を積めた鞄を手に、


当時付き合っていた彼の故郷であるスペイン行きの


チケットを片道分だけとった。


そこからは最悪な展開だった。


彼のとなりに眠る知らない女。


帰ることも、この街にいることも


出来なくなってしまった。


不運は続くもので、


財布を入れていた鞄を盗られて


警察に行ったが、


『ジャパニーズ?平和ボケしてるからね君たち』

 
泣きたくなった···。


道端に座り込んでいると不意に肩を叩かれた。


顔を上げると北欧系の50代ほどの男性。


全然似てないのに、父を彷彿とさせ、涙が溢れた。


そのまま肩を抱かれて泣きながら連れてこられたのは


彼の自宅だった。


同じ年代ぐらいの奥さんであろう女の人が、


男性に文句を言った後、豊満な体で私を抱き締めた。


落ち着きを取り戻し、食事をご馳走になりながら


それまでの事情を話すと、


『命があってラッキーだった。』


『家族の大切さが理解できてよかった。』


そのポジティブさに救われた。


ふと目についた、たくさんの写真。


子どもかと聞くと、そうだと笑顔で教えてくれた。


でも、先に神様のもとで私たちを待っているんだ。


せっかちな子だよっと······。


それから、夫婦の仕事を手伝い、


ホームステイさせてもらいながら、


なんとか帰るためのお金をためた。


また必ず会いに来ると約束して、


私は今、日本行きの飛行機に乗っている。

9/16/2023, 1:12:00 PM

#空が泣く


〖今回の依頼内容〗


空が泣くことを食い止めろ。


俺はある組織に所属しているエージェント


今回の任務は何時にも増して高度なミッションだ。


相棒はいつも、『たまには変わって!!』と言う···


それでは、ミッションを開始する。


「空~、パパだぞ~」


「やー!!マァンマァ~!わぁ~ん」

9/15/2023, 1:01:37 PM

#君からのLINE


あの日は、朝から携帯の調子が悪かった···。


いつもは頼まれないのに残業が入って、


帰りも遅くなった。


家に帰りついて、LINEを開くと通知音が鳴った。


LINEの入っていた時刻は12:52ー···


        〖    〗


すぐ君に電話をかけた。


遅い時間だったけど、許してもらおう。


『     』を言葉で伝えたいんだ。

9/9/2023, 11:54:03 AM

#世界に一つだけ


「なな、見なさい。美しいだろう?」


ガラスの向こう側に眠るキレイな女の人···


私のママだ。


「世界に一つだけの僕の宝物だ。」


そう言った父のうっとりした顔は今でも忘れない。


「ただいま。」


そう言って私もガラスの向こう側で眠る


世界に一つだけの私の宝に、


うっとりした顔をしているのだろうか···?

8/17/2023, 10:36:00 PM

#いつまでも捨てられないもの


       別れた人を愛していた

 
         〖こころ〗

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