伝えたいことしかないのに何も声が出なくてごめんね
僕は毒虫になった。
そんなに興味もないと思うけどさ
時間が惜しいので今度は手紙をしたためるとしようか
不甲斐ない一日を 今日も始発の便に乗って
見返すには歩くしかないのに上手く足が出なくてごめんね
アベリアの花が咲いている 眼下の街を眺めてる
窓の桟の酷く小さな羽虫を掬って押し潰した
初夏の風に靡いた、白花が今日も綺麗だった
教科書にさえ載っていない心情は
今日が愛おしいようで 誰かがつまづいたって死んだふり
僕らは はら はら はら はら 心を知って征く
今更 ただ、ただ 花を摘まんでいる
あなたは カラカラ カラカラ 遠くを歩いて征く
震えた言葉で書くまま紙が終わっていく
伝えたい事しかないのに何も声が出なくてごめんね
ただの毒虫になった そんな僕の変な歌だ
『始発とカフカ』
死んだら天国に、行きたいとか
悪い事をしたら地獄に落ちるとか
言うけどさ
私はやだな
死んだ後にも何か考えなきゃいけないなんて辛いもん
死んだら無に帰りたい
何も考えたくないから死ぬ
嫌、どうせ死ぬ癖に辛いなんておかしいかな
明け方の夢だった
それはとても心地好い夢だった
その夢の中私は1人河川を歩いていた
その時、浮かぶ月が見えた
「空」 に
胸が痛くなった
私とは裏腹に輝く月を見て息が苦しくなった
月が沈みかけて朝が来ることに死にたくなった
胸が、痛いから下を向く度。
君がまた遠くを征んだ
夢を見たい僕らを汚せ
さらば
昨日夜に咲く火の花
夢で居たい街を今。
あァ、 藍の色
『夜明けと蛍』
鳥籠で
生まれた鳥は
己が囚人だと
気付かない
己が不自由だと
すら知らず
檻の中で
幸福に死ぬ
降り止め。雨よ
この私に救済を
何度も何度も
生きてる意味なんて探しても
涙の理由すらよく分かんないままで
何にもないけど
泣き止む度明日が来るから
生きてて良かった
そんなこと思える日を
願ってしまうんだ
『Cry屋』