寒い日のお風呂上がりにはゆず茶を
飲みます。
お風呂から上がるとお湯を沸かし
冷蔵庫から”ゆず茶”とラベルが貼ってある瓶を出す。
カレースプーン一杯分を瓶からすくい
マグカップに入れ沸いたお湯をそそぐ。
ゆっくり満遍なく溶ける様にかき混ぜる。
ふわっとゆずの香り。
熱さを確認しなが、ゆっくりと飲む。
私だけの冬の楽しみ方。
「お母さんココアある?」
「あるよ。この間買った。」
「牛乳は?」
「あっ‥忘れた。」
「お母さん牛乳嫌いだから‥。」
「今度買って来るね。お湯でいい?
「いいよ。」
平日夕方鼻を真っ赤にしながら
学校から帰ってきた。
やかんが“シュンシュン”と言ったところで、ガス台の火を止め熱々のココアを
入れる。
猫舌の子供はいつもより長めにかき混ぜ、長めに“フウーフウー”していた。
「やっぱり牛乳の方が美味しいね。」
「‥‥‥。その前に何か言う事ない?」
「‥‥‥。ただいま。ココア入れてくれて
ありがとう。」
「おかえりなさい。明日は牛乳買って
来るね。」
テレビは地方の情報番組が流れている。
なんでもない夕方のひと時。
次の休みの時には甘いココアを一緒に
飲もう…。
私の子供の頃は
「男の子が泣くんじゃありません』とか
「いつまで泣いているんじゃない」とか
泣く事が禁じられている時代だった。
今は
泣く事で感情表現と受け止めてもらえたり、泣く事でのストレス解消があるとかで、『泣く事が良い事だ』と
ポジティブにとらえてられているようだ。
それでも変わらず
子供がいつまでも泣いていると
『うるさいな。親は何してるんだ」と
思ったり、そう思われているんだろうなと感じたり
『涙は女の武器』と使っている人と
罪悪感持つ人と嫌悪感持つ人とがいるんだろうな。
とりあえず
悲しくて泣く事が一つでも少なくすむ様に願う。
「すみません。頭が痛くて‥。
微熱もあるので‥、大事をとって今日
休みたいんです。はい‥はい‥失礼いたします。」
出勤30分前にかすれた声で電話をかける。起きたついでに台所に行き
冷蔵庫から麦茶を出しコップ一杯ゴクゴクと一気に飲み干す。
「あー頭痛い‥」と誰もいないのに
口に出る。
昨日は友達と日付変わるまで
飲んで声がかすれる程語りあかしたのだ。
平熱が高い私には微熱は平気で動ける。だけど、起きた時点で会社に間に合わないと気づいた時『今日ぐらい休んじゃえ!』って耳元で悪魔が囁いた。
“明日までには少しでも元気になれるように体も心休ませよう”そう思い布団に入る。
大好きから、大嫌いになったあの人を
思い出す前に‥。明日会社で「大丈夫?」と聞かれたら「(色々な意味で)大丈夫です。」と笑顔で話せる事を想像しながら
目を閉じた。
二十代前半は1回目の結婚ラッシュ。
地元の友達の結婚式に参加する事が
多く、結婚より結婚式に憧れる。
「ステキなウェディングドレス
ステキな結婚式だったなぁ。私も結婚
したいよーっ」って思いだけ先走る。
二十代後半は2回目の結婚ラッシュ。
地元を離れて進学、就職後の友人や同僚の結婚式に参加。段々と世間から
「結婚しないの?いるんでしょ。
いないの?選んでいるからだよ。」
なんて、声を愛想笑いで誤魔化しながら
「30歳前には嫁にいきたいなぁ」って
漠然と思っていた。
三十代前半はチラホラ周りで離婚の話を聞き出す。「独身が楽しいんでしょ」なんて親戚から言われ出す。「うん。」
って面倒なのでそう返事しながら
「男友達くらい欲しいよね」そう思って
気軽に出会い系サイトに入力する。
三十代後半は育児真っ最中。
今、思い出しても怒涛の勢いであまり記憶がない。
そんな縁からの出会いで
そこからのお付き合いしての
結婚だったけど今年も無事結婚記念日を
迎えられました。
来年も一緒に迎えられる様に願ってます。