「お母さんココアある?」
「あるよ。この間買った。」
「牛乳は?」
「あっ‥忘れた。」
「お母さん牛乳嫌いだから‥。」
「今度買って来るね。お湯でいい?
「いいよ。」
平日夕方鼻を真っ赤にしながら
学校から帰ってきた。
やかんが“シュンシュン”と言ったところで、ガス台の火を止め熱々のココアを
入れる。
猫舌の子供はいつもより長めにかき混ぜ、長めに“フウーフウー”していた。
「やっぱり牛乳の方が美味しいね。」
「‥‥‥。その前に何か言う事ない?」
「‥‥‥。ただいま。ココア入れてくれて
ありがとう。」
「おかえりなさい。明日は牛乳買って
来るね。」
テレビは地方の情報番組が流れている。
なんでもない夕方のひと時。
次の休みの時には甘いココアを一緒に
飲もう…。
12/19/2024, 8:13:01 AM