人生そこそこ長めになってきて
色々な夜景をみてきました。
山から街並みや海、湖
高い建物からビル群や大きな公園を
車で次の街や対岸の街、行き来する車。
飛行機では訪ねる街、帰ってきた街
そして、昼と違う顔の工場群。
いつも夜景を見て
「あの光の中に色々な人がいて、色々な
思いを持って生活しているんだなぁ〜」
って、いつも思ってしまう。
日の高い時は全然思わなくって
自分の事で精一杯なのに。
なんでなんでしょうねぇ。
「庭からネギ取って来て」
子供の時、ばぁちゃんに果物ナイフを渡されて庭にネギを取りに行ってた事を思い出す。
知り合いに「あんたの所の庭は畑だか
花畑だか分からないね。」
そう言われて、野菜は大分なくなったけど、「ネギは残してくれたんだ」と思っていた。
今は母がその庭の手入れをしていて
土いじりの苦手な母の庭は、木が多くなったけど「味噌汁に入れるネギ取ってくる」と言って包丁片手に庭に行く姿を見る。
近所の神社でお祭りをだったので
子供と一緒にお詣りさせていただく。
「お母さんなんて書いてあった?」
おみくじを引いた時、まだ開いてもいないのに子供からの催促。
「中吉 見守りってるから今のままで‥って感じかな。あなたは?
「まぁ〜このまま頑張れってみたいだよ」
「じゃ、お互い神様に見守られているって事で頑張りますか。」
なんて事を言いながら神社をあとにする。
買い物して家に帰ろうとした時
お神輿が前から来られたところを見かける。
「お神輿、神社に帰って来たね。
なんか、見てますよーって感じだね」
「お母さんもそう思った」
そう言って空を見上げると
厚い雲からお日様がチラチラと見え隠れしている日だった。
「ちょっと、今度建て直すから。捨てて欲しくない物ある?」
そう母親に電話で唐突に話し出された。
「えっ‥えっ‥えーっ。何で?」
と、慌てる私。
「古くなったからさ」と、一言。
数年前から色々とガタがきていたらしい。
就職で実家を離れて数年経った私は
カレンダーを確認後、帰る日を伝え電話を切る。
数ヶ月後、物の少なくなった実家を見ながら、「こんなに広がったけ?」なんてありがちな事を想ってみる。
物がないのに頭の中では20年分の物があって、特に居間やキッチンには、
たくさんの思い出が溢れ出る。
その後、母から「この間家壊したよ」の
電話。
「なんかねー‥。お母さん泣いちゃた。」
「あー。私もなんか泣いたわ。」
「なんでだろうね」
なんて、言いながらお互い「あははっ」と、笑いあった。
「忘れ物はない?受験票持った?」
「大丈夫。持った。行って来ます。」
中2の冬
「この高校に行きたい」と言った。
合格ラインはギリギリ。
「頑張ってみたい」そう言った。
あなたの顔をみて、こちらも腹をくくる。
それからは説得、相談、応援、励まし
見守り、慰め‥そして違う道の為の資金繰り。
I年間、ギリギリまで頑張っているあなたを見ていましたよ。
母は寄り添う事しかできませんが合格でも不合格でも頑張って‥。
「いってらっしゃい!今日家にいるから。」
そう言って少し大人になった子を送り出した。