目覚まし時計をかけても起きれない時
母が私を声を掛けて起こしてくれる。
「朝だよ。時間だよ。起きなさい。」
「いい加減に起きなさい。朝だってば」
「起きなさいって言ってるでしょっ。
遅刻する!起きなさいっ!」
と、大体3回目になると布団を剥がされる勢いで起こされる。
母の立場になって子ども達を朝起こす時
「お母さんって3回目起こす時凄く怖くなるよね。何で?」と言われた。
私も同じ事母に尋ねた事を思い出す。
「お婆ちゃんがぁ‥」と話すが、
本当の気持ちは貴方が誰かを起こす時のお楽しみ。
アルバムの中の写真の幼い私は
水玉のスカートを履いて白いブラウスを着ていた。
膨らませた浮き輪をお腹の所にとうし
麦わら帽子もかぶって、家の前での写真撮影だというのに、
「海行くのよ。いいでしょう」
という顔で写っている。
幼い私の右側には思い出より少し若い
ばあちゃんが一緒に写っている。
写真を見ながらばあちゃんの事思い出そうとするけれど、ばあちゃんと会えなくなって大分経つから、良い思い出も嫌な思い出もあまり思い出せない。
それでもなぜだか、夏になる度に
ばあちゃんの綺麗な水色の着物思い出す。
「お母さん、サンタさん本当にいたよ」
「だって、クリスマスツリーの所に置いてたお手紙にお返事くれたし」
「みかんも皮しかなかったもの。食べてくれてたよ。」
と、子ども達交互に話す。
サンタクロースに会いたくて遅くまで起きて待っていたのに興奮して目がキラキラしてる。
「良かったね。何てお手紙書いたの?」
「好きな物は何ですか?だよ」
「お母さん読んで」
「ホットミルクって書いてあるよ」
「えー。サンタさん来る時冷えちゃうよ」
来年の相談をする子どもを見ながら‥。
手紙確認して返事を左手で書いて、みかんを夜中に食べるのは辛いの〜。来年は
胃に優しい物でお願いします。と思う母です。
「今がドン底だ、ドン底なんだ‥。」と
言い聞かせながら
涙が滲み出ていたあの頃。
母の声が無償に聞きたくて電話した。
「元気だった?」
「うん。元気。」
母には言えず電話を切る。
お母さん。こんなに大きくなったのに
娘でいさせてくれてありがとう。
もう少しだけ娘でいさせて下さい。
我儘な娘より。
「やるぞ、やるぞ、やるぞー」とか
「やればできる!」とか
言葉を思い出してやる気になるけど。
道具を買ってやった気になったり
始めたけれど継続出来なかったり。
高校生の時、セーターを編もうとして
前身頃だけ編んで満足して
たくさんの毛糸玉をみて空しさを感じていた事を何故か思い出す。
それでも
何かを変えたくて 変わりたくて
いつまでも自分探しをやっている。
さぁ やりますか。
「小さな事も一歩から」