大切なもの
時とともに薄れていくもの
簡単に手から漏れていくもの
何かを決断するときに枷になるもの
淋しい夜に黙って寄り添ってくれたくまのぬいぐるみ
弟が生まれたときに譲れなかったおしゃぶり
小学生のときに友達からもらったシールやメモ帳
夕暮れ時の下校中に撮った気の合う仲間とのセルフィー
憧れの先輩がくれた第4ボタン
成人式に向かう車の中で見た母の涙
大学生の時にサークルでよく飲みに行った居酒屋
最愛の人
時間が経つにつれて
古びてボロボロになり
色褪せしわしわになり
ときには壊されたり捨てられたりしてわんわん泣いた
自分の夢ややりたいことを諦めた時もあった
だけど
必要なかったものは一つもない
全てが幸せな記憶じゃないけれど
忘れてしまえたらと思うものもあるけれど
失われたものや時間そのもの 想い
そしてそれをふと思い出す日常での一瞬
全てが愛おしく
全てが今のわたし
大切 【たい-せつ】
〔形動〕最も必要であり、重んじられるさま。
丁重に扱って、大事にするさま。
急を要するさま。
お金より大事なもの
命より大事なもの
家族より大事なもの
大事なものは
何かと比べるモノじゃない
何かの上に成り立つモノじゃない
万人が思う答えじゃない
そんなこと キミもちゃんと分かってる
けれどそんな意地悪を言う理由は
"それはキミだ"
そう言って欲しいからだろう?
……ああ、すまない
意地悪を言ってしまったね。
月は密かに憧れている
世界を照らす太陽に
宝石のような青空に
生き物たちが目を覚ます朝に
だけど月は知らない
暗闇に微睡む街を照らしていることを
悲しみに沈んでいる人々の心を癒したことを
たくさんの愛が語られたことを
たくさんの唄が生まれたことを
そして今 あなたも
月照らす夜の美しさを浮かべ
38万キロメートル先へ 思いを馳せるだろうか
月夜 【つき-よ】
〔名〕月や月の光。また、月のあかるい夜。月の照りわたった夜。あるいは月の光に照らし出された夜の景色なども含めていう。つくよ。
いつか殺してあげるから
それまで待っててね
あのときの口約束
時間にしてたったの5秒
それが私たちの
絆 き-ずな〔-づな〕
・人と人との断つことの出来ない繋がり
・離れ難い結びつき
・本来は、犬・馬・鷹などの家畜を、通りがかりの立木につないでおくための綱。しがらみ、呪縛、束縛の意味に使われていた。「ほだし」、「ほだす」ともいう。
暗闇に揺れる夜の海も
その水面に月光を浴びせれば
まるで月が地平線の果てまで導いてくれているようで
穏やかな気持ちになってゆく
静かな波音に溶け込む私の歌も
波が打ち寄せる濡れた足元も
ここにあるすべてのものが私を包み込む
今この瞬間は
世界に私しかいなくて
世界は私だけのものになる
だから今は、一人でいたい。