誰もが皆、自分なりのルールを持っている。
例えば、明石焼きには三つ葉と紅生姜を添えるのが一番うまいとルール化していたり。
出汁巻き卵は甘くせず、しっかりと出した出汁の旨みで頂くものであるとか。
靴は家側にかかとを向けて脱ぐとか、脱いでからかかとを家側に向けて揃えるとか。
これらのルールは、個々の持つ文化という。
哲学の先生にそう教わった。
人の数だけ文化があり、交流はすなわち異文化交流に他ならないのである、と。
【ルール】
空模様、ではなく、心模様。
気象予報士がいるように、心理予報士がいても面白そう。
そんなわけで、僕は新米の心理予報士。
キミの目を覗き込むと、心模様が予測できるよ。
ああ、キミの今日の心は雨模様だね。
何か悲しいことがあったんだね。
大丈夫、明日には薄日がさして、厚い雲の向こうからゆっくりと心を光が照らしてくれるよ。
上がらない雨はないから、元気を出して。
こんな風に人の心をあたためられる心理予報士を、目指しているんだ。
【今日の心模様】
わたしはある本に影響された。
後悔するような決断は意味がない。
でも反省はたくさんして良い。
そういう内容だ。
だから後悔だけはしないように生きてきた、つもりである。もちろん他人の関与で思うようにいかないことはない訳ではなかったが。
その本から得た知恵がたとえ間違いだったとしても、納得しているのだから、きっとこれで良いのだ。
【たとえ間違いだったとしても】
寒い寒い冬、軒にのびた氷柱から垂れた雫の凍っているのが美しいと思う。
水が重力に引っ張られて雫型になり、そのままの姿で凍っている。瞬間を氷に閉じ込めたようで、幻想的に見える。光があたると更に何とも言えない綺麗さがある。
自然の生み出すささやかな芸術だと思うのだ。
【雫】
今はもう、本も増やさないようにしている。老眼で読めないのもあるが、電子書籍よりやはり紙の本がいい。検索性が違う。なにより図版が美しい。
そんなに本好きなのに、買うのを諦めてしまった。
もう半世紀生きて、先がないと感じている。
天国にはコレクションを持っていけない。
だから増やすことはやめて、引き取り手を探す方策を考えている。所蔵本には稀少本もある。サイン入りの初版画集もある。大切にしてくださるかたにお譲りしたい。
だからもう、必要な情報以外はいらないのである。
【何もいらない】