プレゼントをあげるのが好きだ。
もらった覚えはあまり無い(特に親から)。
わたしはある語学系のコミュニティに所属していた。
クリスマスになるとメンバーが持ち寄ってパーティをした。わたしはお菓子担当だった。
当時はバタークリームのケーキが主流で、レシピも多かった。手動の泡立て器しかなくて頑張った。スポンジケーキを焼いて、切り分けて、バタークリームを作って、スポンジに塗りつけて、飾って。アラザンも銀色しかなかった。
ケーキは好評で、特に思い出深いのが、手のひらサイズの星型に切って、白いバタークリームと銀色アラザンで飾ったシンプルなケーキ。小さな子にも好評で、余りは皆が持ち帰ってくれた。
贈り物で嬉しかったのはこれかなあ。
あげたほうだけれどね。
【手のひらの贈り物】
わたしは、全幅の信頼を置いていた創作の相方(と思い込んでいた者)に創作を全否定されて(うつの症状による暴言であったことは頭では理解しているが、心に刺さってしまった)、何も書けなくなった訳だが、同時に全てを失ったと感じている。
知的好奇心。
知りたい欲、体験したい欲、表現欲。
本や文献にあたって調べること。
ウインドウショッピングをしたり雑誌を見ること。
全部しなくなった。全部失くした。
全て自創作のために行っていたことだから。
いわば資料集めのために生きていたのだ。
今のわたしは空虚だ。何の趣味もない。興味もない。
心の片隅で、昔に戻りたい気持ちが無い訳ではない。
でも、情熱を失ってしまって、やりたいことがなあんにも浮かばないのである。
【心の片隅で】
静かな夜、雪の中をひとり帰路につく。最寄駅で降りてから、バスがもうないのでとにかく雪道を歩く。
雪の夜は静かで、明るい。雪が白く光って、夜道の暗がりを追いやってくれる。ザクザクと踏みしめているはずの足音も、雪は吸収して消してしまう。
誰もいない夜道の静けさ。
雪の静かに降り積もる仄かな明るさ。
雪は冷たいが、雪洞を掘って中にこもると意外とあたたかいと聞く。かまくらに七輪を持ち込んでお餅を焼いてお汁粉にして食べる光景を本で見て、憧れた。
かまくらが作れるほど故郷では雪は積もらなかったし、雪国に転居後は、雪質が粉雪で、さらりと崩れてしまって、雪うさぎすら作れなかったが。
今でも雪洞で頂くお汁粉は浪漫である。
【雪の静寂】
わたしは対人関係トラブルで大鬱発作を起こして、そのリカバー作業として、ある小説を書いていた、ことは以前にも書いた。
その時、その創作を共に考えて助言をくれていたと信じていた相手に拒絶されて、何も書けなくなったことも以前書いた。
今では創作は全くしていない。文章を書く仕事はしていても、老眼もあって結構しんどい。拒絶した相手は配偶者となって、謝罪もされて、創作して良いよと言ってはくれるけれど。でも、心が折れてしまった。
虚無になったわたしは無趣味に無為に時間を過ごす。これが君の望んだ未来だよね? そうだと言ってね。
【君が見た夢】
夜中まで、予習復習と小テストの勉強と創作に明け暮れた高校一年生の頃。とにかく時間が惜しかった。
チョコ苦手だけれど、個包装のキスチョコを大袋で買って、ベッドぎわに置いた。目覚ましをかけて、三十分したらむにゃむにゃ起きて、キスチョコを口に放り込む。チョコのカフェインで目を覚ます作戦だ。そして勉強と創作を続けた。
夜が白んで朝が来て、日が昇って、明日が今日になってまた始まる。
その生活を一ヶ月続け、風邪の菌が免疫の落ちた心臓に入り込んで、心臓を病んだ。結果、二ヶ月学校を休む羽目になる。休んでいる間に数学の教科書が四十頁も進んでしまった。
睡眠は大事だというお話。
【明日への光】