まそむ

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10/16/2025, 10:39:02 AM

星図とは、恒星の位置や明るさを平面に書き記したものをいう。

僕は夜空が好きだった。
良く星を見上げて自分なりに星図を作っていた。
お小遣いを貯めて天体望遠鏡を買うのが夢だった。

うん、気づいた? そう、過去形なんだ。

「勉強しなさい。机に向かいなさい」
僕の星図を取り上げて、ビリビリに破く親。
「空ばかり見て。あんた偏差値幾つだと思っているの」

僕の夢は、僕の情熱は、バラバラにされて、ゴミ箱に放り込まれた。
これは僕が人間から、人形になった夜のお話。

【消えた星図】

10/15/2025, 10:59:42 AM

わたしには恋愛感情がない。
そういうふうに生まれついた。

だけど人を人として愛することはできる。

愛から恋愛要素を抜いたら何が残るって?
それは尊敬とか、尊重とか、相手を大事にしたい気持ちだと思う。
恋愛分からないわたしは、そう思う、ってだけ。

【愛-恋=?】

10/14/2025, 12:05:35 PM

梨の別称に「ありの実」という言い方がある。
梨が「無し」に転ずるため、縁起のよい言い回しがあるのだ。

だけど。

夕ご飯の後に梨が出た。
剥くのは小学生のわたし。
小さい頃から刃物の扱いに慣れろと言われて。
まだ、ピーラーもない時代。

一生懸命、皮を剥いて、六切りにして、芯をとって。
家族全員分剥いたら、手を洗って、やっとデザート。

「食べてもいいですか?」
「あんたの梨は無し」

ありの実、と言わなかったわたしの皿が、親に取り上げられる。
わたしはフォークを持った手を、虚しく下ろして。
親の笑い声が背後から追ってくるから、急いで食卓を去るのだ。

梨を見ると今でも思い出す。
日常茶飯事だったなあ、って。

【梨】

10/13/2025, 10:58:59 AM

空を見上げて、ボクは鼻歌を歌っていた。

踏みつけられてぐしゃぐしゃになったカバン。
いっぱい汚い言葉が書かれたノート。
制服の背中にはきっと靴の跡。
腫れた頬がひりついて痛い。

でもね、ボクの学校には、いじめなんてないんだって。

ボクは帰り道の適当なビルにのぼった。
非常階段を一番上まで上がる。
空が、近い。なんて澄み渡った空なんだろう。

「ラララ、さよなら、世界」

ボクは鼻歌を歌いながら空に身を投げた。

【Lalala good bye】

10/12/2025, 12:05:03 PM

出口のないトンネルを歩いている。
明けない夜はないと言い聞かせて、歩を進めるが、明けない夜はあるのだ。

どこまでも、闇しかない、苦痛の時間。

医師はわたしを、鬱状態であると診断した。
別の病気からくるものだから、寛解しても完治はない、とも。

どこまでも、どこまでも続く、出口のないトンネルを、歩いている。

【どこまでも】

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