いつも通りのまったく変わりのない日常。
そんな時間がいつまでも続いていけば良いと思うのに、
過ごしていく日々のなかには日常と全然違う、良いことや悪いことが沢山ある。
だけど、その壁を乗り越えることで一つ一つ成長していくことが出来るんだろう。
それなら。
自分がどこまで行くことが出来るのか試してみたい。
この物語をこんな所で終わらせないで、
まだまだ、ずっとながく続かせていこう。
【5月30日 まだ続く物語】
ずっと同じ場所にとどまっていてはだめだ。
渡り鳥のように、状況に応じて別の場所へと移っていくべきなんだろう。
これはとうに終わっているのに。
囚われていてはいけないことは分かっているけれど。
ここを離れたくないと、そう思ってしまう。
でもきっと、ここから離れた先にはもっと綺麗な景色が広がっているはずだ。この気持ちはここに置いていこう。この記憶は一緒に持って行こう。早くここから離れないと。
だから今、心を決めて新しい場所へと歩き始める。
【5月29日 渡り鳥】
ふと、あなたの髪に触れる。
自分とは違ってさらさらとした髪質。
指で掬うように持ち上げてみると、
するりと滑り落ちていった。
何も言わずされるがままの、あなたの表情が視界に入る。
その時。
あなたに好きに触れることが出来るようなこの距離感が、無性に嬉しくなって、その体をぎゅっと抱きしめた。
【5月28日 さらさら】
これで最後。もう全部終わりだ。
そう思っていたら、今までの思い出が溢れ出してきた。
他のことを考えて気を逸らそうとしてみても、まるで滝のように流れ続けて、溢れ出すものを止められない。
感情が邪魔をしてくる。終わりにしようと思ったのに。
やっぱり終わらせられない、終わらせたくないよ。
【5月27日 これで最後】
傷付けるつもりはなかった。
ただ、どうするべきか分からなくて、
取り返しのつかないような事をしてしまった気がする。
そういえば、まだ君のことを下の名前で呼んだことがなかった。今すぐ会いに行って、この気持ちを君に伝えなければいけない。
そう思った頃にはとっくにこの体は動いていた。
その日、初めて君の名前を呼んだ。
【5月26日 君の名前を呼んだ日】