薄緑色の紫陽花は、日を追うごとに青く変わっていく。梅雨の湿気を含んだ朝、カタツムリが葉の上をゆっくりと歩き回っていた。彼はその湿った葉の一部をちょっぴりかじるのさ。
やがて太陽がオレンジ色の光を放つと、カタツムリは葉の陰へ身を隠す。乾いた世界から逃げ込むように、自分の丸い殻の入り口をしっかりと閉じるんだ。これから訪れる夏眠のためにね。
紫陽花は確かな速度で青く変わり続け、その傍らでカタツムリは青く深い夢を夏の間見続けるのだよ。
「青く深く」
30℃超える真夏日が、梅雨入り前の5月末に突然やって来てしまった。梅雨もまた負けじと、時折線状降水帯となってみたりする。
お天気さん、お願いだから順番を守ってほしいな。
ふんわり現れようとしていた夏の"気配"は、すでに到来してしまった夏の気温に出番を奪われ、諦めて西風と共に行ってしまったじゃないか。
こんな日々の中、僕はスモモのジェラートを食べながら「夏日とスモモと紫陽花とカタツムリ」というドタバタ四角関係のラブコメストーリーを考えて過ごしているよ。
「夏の気配」
いつだったか旅先でパラグライダーを見たとき、その美しさに心を打たれた。
人がまるで鳥のように空を舞う姿が羨ましくてたまらなかった。
パラグライダーは少し難しそうだから、近い将来、熱気球に乗ってみようかなと計画しているんだ。
空からゆっくりと見下ろす景色って気持ちいいだろうな。
「まだ見ぬ世界へ」
童話の人魚姫は、海の泡となり、声なきまま風の精となった。300年、誰の頬を撫でているのだろうか。
舞台のリトルマーメイドは、幸せになり歌を歌い続ける。彼女が見つめる海の向こうには、何が待っているのだろう。
あなたは、どちらの物語に心奪われる?
「最後の声」
塩水ウニ、なんて美味しいんだろう。海の恵みが僕に訴えかけてくる。まったく海からの愛だ。
思い返せば、中学の時のこと。
合唱コンクールで、僕たちのクラスは「君と見た海」を選んだ。
あの時の僕はイタズラばかりしていた。
心こめて歌う「海よ〜海よ海よ〜」を
「ウニよ〜ウニよウニよ〜」
と歌っていた。
隣と前列のクラスメートはそれに気付いていただろう。でも、彼らは気づかないフリをしてくれた。小さな愛がそこにあったのかもしれない。
結果として、僕たちのクラスは仲が良く、見事に金賞を手にした。
小さな愛と友情が海のように広がっていたのさ。なんてね。
「小さな愛」