青空の下のプランターで、小さな愛の種が静かに眠っていた。その種はツヤツヤしている。
日々優しい言葉の水が丁寧に注がれ、種は芽を出し少しずつ成長していった。
でも時折、言葉が消えそうに疲れて揺れていることもあった。
それでも、次の日にはまた優しい言葉という水が注がれ、やがて小さな種は大きな愛へと育った。
大きな愛の形成には、時間をかけた多くの献身と願いがこめられているのだ。
「大きな愛」
big love!
城跡の水堀に桜の花びらが舞い散っている。
清らかな流れにハラリと落ちる花びらは、まるで誰かの心のささやきのよう。
その微かな波紋が広がる様子は「またね」という桜の想いを映しているのかもしれない。
「ささやき」
ペターポのお部屋の壁紙は爽やかなパステルブルーの無地なんだ。
ペターポは「お星さま模様の壁紙にして」ってママにお願いしたけど、ママは「壁紙はシンプルな方が心安らぐのよ」と壁紙を替えてはくれなかったの。
でも代わりに、細かい星型の穴がたくさん空いたシェードランプをプレゼントしてもらったんだ。
夜になってお部屋が暗くなると、シェードランプから洩れる柔らかな灯りが、天井いっぱいに宝石のように星明かりを映し出す。
ペターポは大満足さ。
今夜は「星明かりと銀のゴンドラ」という絵本をママに読んでもらいながら、夢の世界できっと宇宙旅行だね。
「星明かり」
村に住むマオは、毎晩夢の中で森の木のゆらゆらしたオオカミの影絵を見ていた。だから怖くてマオは森に行くことをいつも避けていた。
でもある日、マオは夢の中の影の正体を確かめたいと思った。マオは勇敢で好奇心旺盛だったのだ。
月夜の晩に、マオは思い切って森に足を踏み入れた。木々の隙間から漏れる光の道を進んで行くと、ついに大きな影を見つけた。
マオは恐る恐る近づいてみた。すると、それは月に照らされた小さな子犬が大きく映された影だった。
足元の子犬は怯えたようにマオを見上げた。
迷子の子犬は、さみしくて震えていた。
「子犬くん、夢でずっと伝えてたのね」
マオは子犬を優しく抱き上げ撫でてあげた。
そしてそのまま家に連れて帰りミルクを与えた。
それ以来マオと子犬は、一緒に遊ぶ仲間になった。恐怖は友情に変わったのだ。
時として目に映るものと真実は異なるものだ。
「影絵」