空気椅子スクワットで筋トレをしているドリッキィが、友達と5人で居酒屋に行ったんだ。
そこのお店の人から
「すみません、今、4人掛けテーブルしか空いてないんですよ」
って言われたけど、ドリッキィは
「大丈夫です」
と爽やかに席に着くのさ。
そして、ドリッキィは空気椅子にチャレンジする。
「だってみんなにはすぐに気持ちよくテーブルについて欲しいし、待たないのが一番だよ。
それに、これで太ももと体幹も鍛えらるから、自分のためにもなるしね」
ってご機嫌なんだ。
でも、椅子取りゲームのときはみんなから「ドリッキィの空気椅子は無しだぜ」って制限されちゃうのがすごく残念で、ちょっと悲しい思いをしてるのは、可愛いよね。
「誰かのためになるならば」
ユニバーサル大学哲学科の山本先生の教授室で飼われているセキセイインコが、イケメン猫にこんなことを語ったんだよ。
「ピヨ、ピッ、私の人生は鳥かごの中で繰り広げられていたの。
理想の未来を求めて鳥かごから飛び立ちたいと思ったこともあったけど、実は、その鳥かごの中に定められた幸せが詰まっていたわ。
その中で生きて、そしていつかは死を迎えることになる。
でも、守られた死は思い出として新しい生命の一部になるのよ。
私にとって鳥かごは決して不自由の象徴ではなく、どう生きるかを考えるきっかけを与えてくれるものなの、ピッピ」
セキセイインコちゃんも鳥かごの中でフィロソフィーしてたんだね。
「鳥かご」
夏休みに感想文の課題の「走れメロス」を理沙ちゃんが読んで
「すごく面白かった。
でもメロスの行動って短絡的すぎて、ツッコミたくなるところがいっぱいある感じ。
親友を人質にするなんて、おばかでしょと思っちゃう。
学校の感想文には、友人同士が信じ合う素敵な友情とか、作中のキャラクターに太宰治自身を見出したところを書いて提出しようと思ってるんだけど、
やっぱりツッコミどころも書いた方がいいかしら」
って悩んでる。
イケメン猫の僕的には、思ったことを全部書いたらいいと思うよ。
それが本当の感想だし、他の人とも共感できるかもしれないしさ。
「友情」
イケメン猫の僕と暮らすイザベラさんの中庭で、この夏も美しく花咲いた桃色オレンジのノウゼンカズラ。
イザベラさんが丹精込めて育てたんだ。
お庭のお手入れを時々お願いしている園芸家の中野源州さんが、いくつかのプランターに植えてリビングの南側デッキに並べてくれている。
午後に陽がさすと部屋からのぞく花びらが発光するように透けて、とても華やかな空間が広がる。
イザベラさんは、その可愛らしく咲き誇るノウゼンカズラを見ると幸せに満たされる。
花言葉は「溢れる愛」。
イザベラさんはその言葉のように、大切な家族にたっぷりの愛を注いでいる。
「花咲いて」
理沙ちゃんのパパは、未来への創造的思考と過去からの戦略的思考をもとに、企業の未来を構想するプロジェクトに取り組んでいるんだ。
これは「働き方の未来」をテーマにしたタイムマシンブランディングというもの。
データを活用して過去や未来をデジタル的に計測し、将来の企業設計を作成するらしいんだよね。
でも、もしもタイムマシンがあったなら、デジタル計測なんてややこしいことをしなくて楽チンなのにね。
「もしもタイムマシンがあったなら」