récit

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7/22/2024, 12:32:16 AM

むかしむかし、ゾワメムというとても尊大な魔女がいました。
ある暑い夏の日、ゾワメムは「冷やし中華を食いたい」と思い立ち、中華麺を買うために夕方のスーパーへとやってきました。

ゾワメムは
「冷蔵庫にはきゅうりとハム、卵があるから、トッピングにはトマトがあと1個さえあれば十分じゃ。わしは料理が得意だから、大丈夫じゃろう」
と自信満々でした。

野菜コーナーに着くと、なんとトマトは残り2個になっていました。
そして、やはり同じスーパーで買い物をしていた白い魔法使いがその1個を手に取ろうとしていました。

その瞬間、ゾワメムは素早くダッシュして、2個のトマトを自分の買い物かごに入れてしまったのです。

白い魔法使いはトマトがなくなり残念な顔をしましたが、めっちゃ意地悪なゾワメムは「今、いちばん欲しいのはこの余分なトマトだわい」と、大満足しましたとさ。


「今一番欲しいもの」

7/21/2024, 1:03:25 AM

私の名前を呼ぶ者は、誰かここにいるかー?
私は古の偉大なるファラオだ。
誰かが私の名前を呼んでくれれば、蘇って再びこの地を統治できるだろう。
しかし、現代の個人情報保護コンプライアンスが行き過ぎたせいで、世界遺産保護協会が私が眠る箱から名札を外してしまった。
その結果、誰も私の名前を呼んでくれる者がいなくなってしまった。

「私の名前」

7/17/2024, 2:17:15 PM

遠い日の記憶は紗をかけられて美しく浮かぶ。

思い出の石は静かな河の中で流され、砂となり、砂は思い描きたい城を形作る。

それは幻影のようでもあるが、確実に過ぎ去った物語であり、時の流れに刻まれる詩なのだ。

「遠い日の記憶」

7/16/2024, 2:32:19 PM

今日は、理沙ちゃんとイザベラおばあさんとイケメン猫の僕との3人で"鎌倉海の散歩道マリーナ"へおでかけしたよ。

そこのオーシャンビューカフェで、蒼い海と空を眺めながらマリンランチを楽しんだの。とってもおいしかった。

理沙ちゃんは将来の進路について悩んでいるようだったけど、僕たちと一緒に空を見ていたら、本当にやりたいことが見えてきたと言っていたんだ。

空を見つめると、自分自身と向き合える気がするよね。

みんなで美味しそうな雲を見てたら食後のデザートにバニラアイスを注文しちゃった。

「空を見上げて心に浮かんだこと」

7/16/2024, 12:47:56 AM

馬車馬のようにがむしゃらに働くという言い回しがある。
が、実のところ馬車馬というのは効率よく働いている。

馬車馬は休憩を挟みながら1日トータル4時間以上は走らないものである。

ドリッキィが働くノワルエンタープライズNEPの就労協約には、「馬車馬のように働け」と書かれている。
そこで、ドリッキィは新しい働き方を思いついた。

ドリッキィは朝の9時に出社して、まずは軽快な足取りでNEPの廊下を駆け抜けると、同僚たちに元気を振りまきながら仕事に取りかかる。

昼食は美味しいお弁当をゆっくり楽しんで、午後からは1時間全力で仕事に打ち込む。
ちょっとした休憩も大切にしている。

そして、午後の2時になると、
「今日はもう馬車馬のように4時間素晴らしい仕事をした。さあ、本日の仕事は終わりにしよう」
と満足げにさっさと帰宅するドリッキィだった。

「終わりにしよう」

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