イケメン猫の僕はお料理好きなんだよ。
いろんな国のお料理をマスターしたいんだ。
ゆくゆくは野菜中心の新しい創作料理を夢見ちゃうね。
その国の文化も知ることが出来て食卓が彩り豊かになって美味しく幸せになれるもの。
料理もアップデートしていかなきゃね。
「やりたいこと」
イケメン猫はこんな夢をみた。
お月様は人魚姫の叶わぬ想いを哀しく知って涙を流した。
涙は月色に発光してキラキラと海へ降ってくる。
人魚姫のからだを光で包んであげたんだけど、月から離れてしまったその涙からは少しずつ煌めきが失われていく。
人魚姫は今にも海の泡となって消えてしまいそう。
その時お日様が顔を出して海を温かく照らしてくれたんだ。
朝日の温もりで人魚姫は命を吹き返し人魚の国へ帰っていったの。
王子との恋など何もかも忘れてしまって。
お月様の涙にも明かりが灯されて空に浮かんで月に戻っていったんだってさ。
「朝日の温もり」
まずは自身の内なる声に耳を澄ます。
そして周りのいろんなアドバイスも整理する。
重要な選択の場面なら、どう進むのか、思慮深さと勇気が試される瞬間だよね。
「岐路」
ホムンクルスを放った湖がある終わってしまった古の神代の世界。
イケメン猫が歩けばどこにだってひとっ跳び。
ペガサスに乗って時をさかのぼり、移り気な世界一美しい君を探しに行く。
この世界を再び輝かせるために君を探しに行くんだ。
「世界の終わりに君と」
黒マスクのドリッキイは
不揃いな歯並びを隠す。
気弱な目は長く垂らした前髪の奥。
周りが良く見えなくて
彼は歩道で転びそうになる。
「わざとつまずいてみせたんだ、オレじゃなきゃ道の凸凹見逃していたな」
と胸を張り、
「この道の下には誰にも言えない秘密が埋まっているんだぜ」
などとうそぶいてみせる。
秘密をかかえたミステリアスな雰囲気を醸し出したい。
だけど、本当は彼に秘密は何もない。
のっぺりと普通な人生を
送っている。
ただちょっとこじらせた気取り屋で
平凡な自分だということを誰にも言えない。
「誰にも言えない秘密」