一気に寒くなりあちこちに咲き誇っていたコスモスが数を減らした。
こんな時期に羽化して蝶になったあの子はどうしているだろう。
風が強く雨が降るとさらに冷えて、凍えてないだろうか。
花も減ってお腹を空かしてないだろうか。
のんびり屋の君のことが心配です。
一輪だけでも、ピンク色のコスモスがあの子の拠り所として待っててくれますように。
「一輪のコスモス」
虹の出た日に蝶として生まれたあの子へ
ほら、朝なんてこなくていいんだよ
伝えてくれた言葉
貰った気持ち
全部大事にしてる
不透明な大好きを
いつも受け取ってくれてありがとう
「チェル、どうしたの?どうして泣いているの?」
この子がこんな風に泣くことなんて滅多にないのに。
目元が赤くなって瞳にはまだ潤みが残っている。
かわいそうに、たくさん擦ってしまったんだわ。
よほどのことかしら、じゃないとこの子がこんなに泣くなんて。
とりあえず冷やしてあげて、そのあとクリームを塗ってあげないと。
「お姉さま、聞いてる…?」
「チェル、私の部屋にきて。冷やして薬を塗りましょ?それからお話を聞かせて?私が一緒に居て…」
「待って、お姉さま!違うの、睫毛が入っただけなの…!!」
「………まつげ?」
よくみると赤くなっているのは片方だけ。もう1つの瞳はいつものチェルの瞳だった。
「………かわいそうに、睫毛に泣かされたのね?やっぱり私の部屋に行きましょ?手をきれいにしてから取ってあげなきゃ。午後の授業は休みましょう。たくさん擦ってしまったから目も休ませてあげて、それから…」
「………お姉さまってば過保護…」
言葉は呆れつつも声には嬉しさが滲み出ているチェルの呟きと、ブツブツとあれとあれも用意して…と頭がいっぱいなお姉さまの呟きが陽だまりの廊下をそよ風のように流れていった
「涙の理由」HPMA side.T
今すぐ終わってください
「もしも世界が終わるなら」