冬晴れ
朝の寒さに耐えられず、布団から出るとすぐにモコモコのカーディガンを羽織り、厚手の靴下を履く
肩も背中も丸めて歩く
THE巻き肩、猫背だ
「あー、寒い…」なんて言いながらエアコンが稼働しているリビングに行く
引き戸を開けてリビングに入ると「あったかぁ…」と思わず声が出た
朝ごはんを済ませ、洗い物や洗濯機を回す
洗濯機が止まり、外に干しに行くと陽の光が降り注いで暖かい
「これぐらいの気温が朝晩も続けばいいのに…」
文句の1つも言いたくなってしまう
まぁ、自然現象に言っても仕方がないが…
寒いこの時期だからこその暖かさ
それが冬晴れなのかもしれない
そんな事を思いつつ、さっさと洗濯物を干す
早くしなければ厚手の冬服が乾かない
幸せとは
幸せとは?と聞かれて即答できる人はどのぐらいいるだろう?
“お金”や“愛”など幸せの定義は十人十色だ
私の幸せは“幸せだなと思える瞬間”だ
衣食住が保証されていること、お腹いっぱい食事をした時、友達や家族と過ごす時間など日常のちょっとした事が私の幸せだ
日の出
「はぁ、今日も寒いなぁ」
ダウンのポケットに手を突っ込んで歩く
人も車も通らないこの時間、この場所を歩くのは年に1回だ
行き先は開けた丘
そこが1番 日の出が綺麗に見える…気がする!
「着いたー」
丘の上から見える街の夜景は綺麗だ
これもここに来る楽しみだ
「5時30分かー
ちょうどいいな」
スマホで時間を確認して、思わず頷いてしまう
持ってきた折り畳みのミニ椅子を広げてひざ掛けと保温性の高い水筒に入れたコーヒーをコップに注ぐ
「はぁ、あったか…」
湯気が立つコーヒーを口にしてホッと一息つく
そこからはただひたすら日が出るのを待つ
だんだん辺りが明るくなり、日が顔を出す
「眩し…」
眩しすぎて掌で影を作る
完全に日が昇るまで見届けると広げていた物を片付け、陽の光を背中に浴びながら帰路につく
今年も初日の出が見れて満足だ
新年 今年の抱負
1月1日、元旦の今日
朝起きてから新年の挨拶のLINEに返信してから布団を出る
「おはよー」
「おはよ」
自室から1階のリビングに行くとおせちと雑煮を食べてるお母さんが呑気に挨拶してくれた
それに返すとお母さんの向かいに座っておせちをつつく
テレビの音が聞こえる中、無言で食べ進める母娘
「「ご馳走様でした」」
手を合わせ、使った紙皿等をゴミ箱に捨てる
「今年の抱負は?」
「うーん、平和に過ごす事…かなぁ」
去年を思い出しながら1番最初に思い浮かんだ言葉を言う
「そうね、お母さんも今年は平和に過ごしたいわ…」
お母さんも心から思っているのか声がら疲れが見て取れる
母娘でリビングソファに並んで座り、適当に流しているテレビを流し見る
新年の始まりの日、母娘の願いは叶うのかは2人の言動しだい
1年を振り返る 良いお年を
大晦日、1年 最後の日
夕方にお雑煮と夕飯を作りながらこの1年を振り返る
「うん、推しとリアルに会う機会が多かったな」
1年を振り返った感想はこれだった
初のオフ会に参加したり、オフイベに行ったり、推しに会う為に仕事を頑張った1年だった
今年は頑張ったなー自分、なんて自分を褒めていると着信音が鳴る
『もしもーし!』
「お母さん、元気だね…」
ディスプレイを見て分かってはいたが、電話に出ると明るい母の声が聞こえて思わず思ったままの事が口から出た
『そうかな?
いつもと変わらないわよ』
「…
お母さん、用事は何?」
電話越しなのに首を傾げている母の姿が苦もなく想像できる
その事に対してこれ以上 話が広がることも無いだろうと要件を聞くと『そうそう!』と明るい声が返ってくる
『元旦は帰ってくるの?』
「仕事だから帰らないよ」
『そうなの…
たーくん達が来てて、貴女に会いたいって』
「そうなんだ」
たーくんとは兄の息子だ
“達”という事は兄の子供達3人が来ているのだろう
甥っ子達がいつまで滞在するのかを聞き、別日に帰ると伝えると「良いお年を」とお互いに伝えて通話を終える
「さてと、明日も早いしさっさと作りますかー!」
考え事と通話で途中になっていた料理を再開する