もしも君が
もしも君がこの世界から居なくなったら…
そんな事を考えて身震いがした
身体の1部といっても過言ではないと思うほど、傍にいて落ち着く
(もう考えるのをやめよう…)
布団を頭まで被り、目を閉じた
君がいなくならないように全力を注ぐと心に決めて…
君だけのメロディ
誰もいないはずの音楽室に忘れ物を取りに行ったらピアノの音が聞こえて来た
静かにドアを開けて覗くと西日に照らされたグランドピアノを弾く人がいた
その人は踊るように全身を使ってピアノを弾いていて、
君だけが紡げるメロディだと直感的に感じた
美しい
同じものを見たりして、同じ感想を持つ人はどれだけいるのだろうか
そんな取り留めも無いことを考えながら雨に濡れる紫陽花を見つめていると「綺麗ですね」と声を掛けられた
声が聞こえた方を見るとニッコリ微笑んでこちらを見る女性がいた
彼女があまりにも美しくてパッと顔を背けてしまった
失礼だったか?と不安になってチラッと彼女の様子を伺うが気に触ったようではなさそうだった
「私はどんな花もそれぞれの良さがあると思うんですが、雨に濡れた紫陽花が1番 魅力的で好きなんです」
「そうなんですね
俺はあんまり花を知らないですが、雨に濡れた紫陽花が1番 美しく見えて好きなんです」
本当に好きな気持ちが伝わる彼女の言葉に無難な答えしか返せない自分が情けなく感じた
君と歩いた道
夕陽を見ながら歩く堤防
ここは君と歩いた想い出の道
その道を私は今 1人で歩いている
寂しいけど、嬉しくもある
だってこの道は君と沢山 過ごした場所だから
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どうしてこの世界は
どうしてこの世界は…
そう言いたくなる時がある
例えば「女だから、男だから」と性別で決めつけられた時、「今どきの若い子は」と世代で決めつけられた時みたいな相手の物差しで決め付けられた時に特に思う気がする
でも、私も自分の物差しで決め付けてしまう時があるから気を付けようと思った
夢見る少女のように
『先生みたいな可愛い人になりたい!』
『ママみたいに美味しいご飯が作れるようになりたい!』
小学校低学年くらいまではそんな夢見る少女だった
でも、成人を迎えた今は夢を見ることはなくなった
だって、現実の厳しさと辛さを知ってしまったから…
「ちーちゃん、ママみたいなママになるんだー!」
5歳ぐらいだろうか?
お母さんと手を繋いで楽しそうに話す少女
私はあの子の様にまた夢を見れるようになるんだろうか?