由希

Open App
1/1/2025, 10:18:42 AM

1年を振り返る 良いお年を

大晦日、1年 最後の日
夕方にお雑煮と夕飯を作りながらこの1年を振り返る

「うん、推しとリアルに会う機会が多かったな」

1年を振り返った感想はこれだった
初のオフ会に参加したり、オフイベに行ったり、推しに会う為に仕事を頑張った1年だった
今年は頑張ったなー自分、なんて自分を褒めていると着信音が鳴る

『もしもーし!』

「お母さん、元気だね…」

ディスプレイを見て分かってはいたが、電話に出ると明るい母の声が聞こえて思わず思ったままの事が口から出た

『そうかな?
いつもと変わらないわよ』

「…
お母さん、用事は何?」

電話越しなのに首を傾げている母の姿が苦もなく想像できる
その事に対してこれ以上 話が広がることも無いだろうと要件を聞くと『そうそう!』と明るい声が返ってくる

『元旦は帰ってくるの?』

「仕事だから帰らないよ」

『そうなの…
たーくん達が来てて、貴女に会いたいって』

「そうなんだ」

たーくんとは兄の息子だ
“達”という事は兄の子供達3人が来ているのだろう
甥っ子達がいつまで滞在するのかを聞き、別日に帰ると伝えると「良いお年を」とお互いに伝えて通話を終える

「さてと、明日も早いしさっさと作りますかー!」

考え事と通話で途中になっていた料理を再開する

12/30/2024, 9:39:05 AM

みかん

蜜柑と聞くといろんな事が思い浮かぶと思う
冬、炬燵、酸っぱい、甘い…この辺りがよく浮かぶだろう
でも、私が1番に思い浮かぶのが推しだ
1年半ぐらい前から推している推しの頭には蜜柑が乗っているのだ

「推しに出会う前は炬燵に蜜柑!だったのになぁ」

炬燵に入りながら蜜柑の皮を剥きつつ呟く私
推しに出逢えて良かったと思っている
だって今回みたいな小さな事でもふと思い浮かぶ程 推しが大好きだから

12/29/2024, 10:27:28 AM

冬休み

今年はクリスマスから冬休みに入った

「ただいまー」

さっさと靴を脱ぎ、手洗いを済ませると自室に向かう
部屋に乱雑に荷物を置くとリビングに向かう

ガチャ…と引き戸を開けるとリビングテーブルの上に伝言が書かれた紙とお金が置いてある

『おかえりなさい
17時には帰宅できると思うのでお留守番、お願いね
お昼代を置いていくので買い物して作ってもいいし、家にあるもので食べてもいいよ お母さんより』

伝言を読み、一緒に置いてあった5000円札を見る

「お昼代には多くない?」

思わず呟いてしまう
そんな冬休みの始まり

12/27/2024, 12:28:10 AM

クリスマスの過ごし方

去年まではクリスマスは社畜として残業に励んでいたクリスマス
今年は早々に仕事を終わらせ、定時で上がる

「お疲れ様」

「主任、もう帰るんすか!!」

部下にそんな事を言われる

「あぁ、今年は待ち人がいるんでね」

『裏切り者ー!!』

部下達の叫び声を背中に「無理だけはするなよー」と言葉を残して部署を後にする

さっさと帰宅すると「おかえりなさい」と笑顔で迎えてくれる愛しい人

「ただいま」

優しく彼女を抱き締め、首筋にキスをする
ビクッと身体が跳ね、真っ赤な顔で睨んでくる
怒った顔も可愛くて仕方がない

今年は愛しい彼女と過ごすクリスマスは幸せでしかない

ーーー

変わらないものはない

君を想う気持ちは一生 変わらない
そうプロポーズしてくれた彼
今や別の想い人がいる

「一生なんて嘘じゃない」

興信所からの調査結果を聞いて呟く

「変わらないものはないですからね」

担当してくれている人の言葉に「そうですね」と返す
帰りたくもないが帰るしかない

情景も情勢も流行も何もかも変わらないものはない
それでも相手を想う気持ちだけは変わらないで欲しいと願ってしまう

12/21/2024, 9:53:32 AM

ベルの音

リンリンリン
ベルの音が聞こえると思わず窓の外を見ちゃう
だって、サンタクロースがトナカイに乗って来る音だから

「碧(あお)、まだ昼間だからサンタさんは来ないわよ」

ママはくすくす笑いながらそう言うが、そんなのは信じられない
だって、全世界の子供達に1人でプレゼントを配っているんだもん

ピンポーン!
インターフォンが鳴り、ママがモニターのボタンを押すと「宅配です」と言う若い男性の声が聞こえた

(サンタさん、いつ来るんだろ…)

窓から空を見上げてそんな事を思っていると、玄関からママが僕を呼ぶ声が聞こえた
なんだろうと玄関に向かうとそこにはダンボール箱を持ったサンタクロースがいた

「サンタさんだ!!」

「Merry Christmas!
1年、いい子にしていた碧くんにサンタからのプレゼントだよ」

ニコッと笑ったサンタさんは持っていたダンボール箱を僕にくれた

「サンタさん、ありがとー!!」

僕は嬉しくてしかたなかった

Next