仲間
高校の友達は一生の友達とはよく言うが、私にとって高校の友達は仲間だ
クラスは違えど同じ事を勉強し、お互いの意見を言い合い高めあった仲間
今はそれぞれ別の道を歩んでいるが、時々 予定を合わせて遊ぶ
そこで愚痴を言い合い、意見を言い合い また自分を成長させる
こうやっていつまでも高めあえる仲間に出逢えて私は幸せだ
手を繋いで
「足元に気を付けろ」
「ありがとうございます」
小さな段差に躓いた奥さんに手を差し出す旦那さん
旦那さんの言葉は冷たいが、奥さんの手をしっかりと握る手に相手を思いやる気持ちが伺えた
「手を繋ぐなんて何年ぶりですかね?」
「さぁな」
嬉しそうに話し掛ける奥さんに旦那さんは素っ気なく返すが、手は繋いだままだ
(お互い愛し合ってるんだろうな)
老夫婦の背中を見つつ、そんな事を思う私だった
部屋の片隅で
部屋の片隅で両膝を抱え、蹲る
リビングから聞こえる両親の怒鳴り声に耳を塞ぎたくなる
(早く終わってくれ…)
そう願うしか出来ない無力な自分
そんな自分を包み込む暖かい体温に思わず身体を硬直させた
「もう大丈夫
安心しなさい」
優しい声に顔をあげると優しく笑う老婆がいた
「ばあ…ちゃん…」
「よく我慢したね」
頭を撫でてくれたばあちゃんに泣きながら抱き着いた
「お前は偉いよ」
そう言って抱きしめてくれるばあちゃんの温かさに余計に涙が止まらなかった
逆さま
「真っ逆さまだね
まぁ、これは自業自得だけど…」
興味なさげに言う彼に寒気がした
前カノとの話なのに何故か自分が言われているようで…
内容が内容だったが、彼はいつもの笑顔で「何食べる?」なんてスマホ画面を見せて来る
彼に合わせて「えっと…」と画面を見ながら食べたいものを選ぶ
彼は自分の中でボーダーラインがあり、それを下回ると興味も関心も一切なくなるタイプだ
それがわかった出来事であり、自分も同じ鉄を踏まないように気を付けようと思った出来事でもあった
眠れないほど
眠れないほど考え込むこの性格をどうにかしたいと思う
思うが、それを実行出来ないのが元よりの性格だと諦め始めた
「夜が明けた…」
遮光カーテンから朝日が溢れている事に気が付き、今夜も寝れなかった…とため息をついた
流石に仕事に影響が出始めて来たし、心療内科に受診しようかと思いつつ朝の支度を始めた