夕方、いつも通り息子の亮を迎えに保育園に行く
ひょこと教室を覗くと亮と目が合った
「ママ!!」
教室から走って出てきた亮はニコニコと笑顔だ
「おかえり、亮」
「ただいま!
あのね、ママ」
モジモジと恥ずかしそうにする亮
亮の目線の高さに合わせてしゃがむ
そして「大丈夫だよ」って気持ちを込めて頭を撫でる
「これ、あげる!」
私の気持ちが通じたのか亮は後ろ手に隠していた手紙を差し出した
「ありがとう」とお礼を伝えて手紙を貰うと亮は嬉しそうに帰り支度をしに教室に戻って行った
そっと手紙を広げるとそこには「いつもありがとう」と書かれていた
「っ!」
泣きそうになっていると一連の流れを見ていた先生が教室から出てきた
「亮くんは優しい子ですね」
そう言いながらティッシュを渡してくれる
「そうですね…」
その一言を返すのが精一杯だった
なんの記念日でもない日にようやく平仮名が書けるようになった息子から貰った初めての手紙
それが私にとっていつまでも捨てられないもの
誰もいない夜の海に1人で来た
月と星のあかり以外、ほぼあかりがない海は私の心のように真っ黒
「同じ黒でも海は綺麗だな…」
水面に映る月や星
それらを見ながら押しては引く波の音を聞くだけで黒く染った心が洗われるような気がする
夜の海は私にとって癒しの場所
この時間は誰であっても邪魔はされたくない
仕事する上で何が大事だと思う?
そう聞かれると大抵は「報連相」とか職場で必要なスキルを言うだろう
でも、俺が1番大事なのは心の健康だと思う
俯きながらギターを弾く姿
張ってる感じでは無くボソボソと歌う声
君の身体全てで奏でられる音楽が好き
麦わら帽子
白いワンピースに麦わら帽子を被って家を出る
鍵をかけて振り返ると笑顔で待っている彼がいた
「おまたせ!」
「今 来た所だから」
彼の隣に立つ
彼のさす日傘に入りながら楽しくおしゃべりする