家族といても友達といても埋まらない心の隙間
それに気が付いた時は「きっと気のせい」と思い込む事でやり過ごしていた
でも、思い込めば思い込むほど心の隙間が気になってしまう
だから、私は1人でいたい
「お祭り!!」
「はいはい」
はしゃぐ息子に甚平を着せる
自分は動きやすさ重視でワンピースにした
「ママ、まだー?」
玄関でサンダルを履いた息子が待ち切れずにいる
「おまたせ!」
そう言って玄関に駆け足で向かうと「ん!」と息子が手を差しだす
いつ覚えたのか 気が付いたら靴を履く時に手を貸してくれるようになっていた
「ありがとう」とお礼を伝え、息子の手を借りながらサンダルを履く
「「いってきまーす!」」
鍵をかけてから息子と手を繋いでお祭りに向かう
息子が食べたいものと見たいものを話してくれる
それに相槌を打ちながら自分も食べたいものを考える
(今年も食べ尽くすぞー!)
息子に負けず劣らず食いしん坊な私は心の中で固く握った拳を突き上げる
大学3年、就活のエントリーシートを書くのに自分の人生を振り返った時 自分には何も無いと思い知らされた
「私はこうしたい」
「私はこう思う」
そういう『自分』というものが存在しない
常に誰かを思って行動し、言葉を紡いでいた
これからの長い人生、本当にこのままでいいのだろうか?
これからは自分に素直に生きてもいいのでは?
1度 浮かんだ疑問は消える事なく次々に浮かんでくる
『誰かの為になるならば』そう思って生きてきたが、これからは自分の為に生きて行こう
もしもタイムマシンがあったら、過去のあの時に戻りたい
まだ彼が生きていたあの時に…
彼がこの世を自らの意思で居なくなってから5年
いつか忘れられると思っているが未だに彼を忘れられずにいる
一瞬でいいから生きている彼に会いたい…
今1番欲しいもの
それは過去をやり直せる能力
非現実的なものだけど、喉から手が出る程に欲しい
あの日 あの時の選択をやり直したい