いるめ

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8/2/2025, 9:17:54 AM

8月、君に会いたい

8月、日差し照りつけるこの季節になると君のことを思い出します。
君は今、どこで何をしているのでしょうか。
君がいなくなってから3年が経ちました。
君の残したレモンの木は順調に成長しています。
僕の貸した10万円は順調に増えているのかな。
君の無事と投資の成功を願ってこの手紙を書いています。
風の噂で聞いた住所だから、君に届くかは分からないけど。
もう一度、君に会いたい。
お返事待っています。

7/31/2025, 11:59:51 AM

眩しくて

あの人が眩しくて
私の心が照らされていく

あの人が眩しくて
私の心に影がおちる

あの日が眩しくて
未来がどうも暗く見える

あの日が眩しくて
眩まないように前を向く

7/30/2025, 2:33:47 PM

熱い鼓動

朝目覚める。なんだか動悸がする。
心臓の音がドッドッと聞こえる。
それに呼応するかのように熱い気持ち、活力が湧いて出てくる。
仰向けで思う。
「今日を素晴らしい日にしていこう」
そんなこと思うのは何年振りだろうか。
こうしちゃいられない。
ガバッと上体を起こす。
その瞬間、体から何か転がり落ちた。
見ると、ハンマーを持った小さいおじさんがいた。
…ハンマーを持った小さいおじさん?
理解が追いつかないうちに、それは視界から消えた。
鼓動は止まっていた。
…私は叩かれていたのか?
…胸を叩かれた振動を鼓動と思っていたのか?
試しに胸の辺りを軽く叩いてみる。
鼓動するようにリズム良く。
さっきまでの熱い気持ちがまた湧いてくるような気がした。

7/30/2025, 2:10:05 PM

タイミング

バスのドアが閉まり始める。
何とか体を滑り込ませる。
ギリギリのタイミングだ。
さぞかし注目を集めてしまっただろう。
顔を上げる。
他の客の視線は私、ではなく前方に集まっていた。
前を見ると目出し帽を被り拳銃を手にした男がいた。
バスジャックだ。
なんてタイミングだ。
心の中でため息をつき、目を閉じる。

そしたらよう、その滑り込んできた男の筋肉が盛りあがって、スーツも破けて、その中からヒーロースーツが出てきたのよ。
ありゃ、まさしくスーパーマンだな。
そこからは一瞬だった。
あっという間にのされて、気づきゃお縄ってわけよ。
あのヒーロー野郎、地球に来て一日目だってんだろ?
なんでそんな日にバスジャックなんてしちまったかなぁ、俺は。
とんだバッドタイミングだよ。

7/28/2025, 11:39:05 AM

虹のはじまりを探して

虹はどこからやってくるのか。
誰もが一度は思うことだろう。
今回、我々はその虹の出どころを突き止めた。
虹製造工場である。
以下はそこで働いているというA氏への取材記録である。

「本日はインタビューよろしくお願いします」
「はい、お願いします」
「ではまず、虹製造工場で働いているというのは本当ですか」
「本当です」
「では、どのような業務をされているのですか」
「素材の選別ですね」
「素材?虹には素材があるのですか」
「そうです」
「一体どのような」
「主にゴミですね」
「ゴミ⁉︎」
「はい、中でも繁華街のカラフルなゴミです。それを色ごとに選別して、色が抽出されて虹になっていくんです」
「へぇー、エコなんですねぇ」
「そうですね、昔は化学物質の煮詰めたようなやつで作ってたらしいですから。その頃に比べればだいぶ環境に配慮してるんじゃないでしょうか」
「なるほど、なるほど」
「まあ、働く方の環境は最悪ですけどね。労働時間長いのに給料低いし」
「ん?」
「労災案件なんてしょっちゅうだし、有給は勝手に無くなってるし」
「は、はぁ」
「大体、虹作ってる工場がブラックってどういうことだよ、レインボー全部混ぜたらブラックですってか、あはははははは」
「あ、あはは、えーとインタビューは以上になります。ありがとうございました」
「あはは、あは、あはははははは」

いかがだっただろうか。
我々は忘れてはならない。
あの虹の向こうに厳しい現実があることを。

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