君と絆ぐ物語
消えたいなんて言わないで
君の辛さを僕が直接わかることはないかも知れない
だけど、考えてほしいんだ
君がいなければ僕はどうなっていただろう
僕は君にたくさん助けられてきたよね
君がいなければ何が起こり、何が起こらないのか
考える日があっても
誰か苦しんだのか、誰かは徳をしたのか
そんな嫌な妄想が頭にこびりついたとしても
今ここには、 "君に" 助けられた僕がいるよ
君のいなかった僕は
きっと、こんな僕じゃなかったよ
だから、僕は今君を助けたいと思ってるんだ
だから
消えたいなんて言わないで
僕は君と絆ぎたいんだ
明日を生きる物語を
失われた響き
この村に音楽がなくなってしまった…
この村、カナデ村は音楽の絶えない村として有名だった
渓谷の狭間にできたこの村は音楽の響く楽しい村だった
春には明るく伸びやかな曲が
夏には爽快で熱い曲が
秋には穏やかで色鮮やかな曲が
冬にはゆっくりと暖かい曲が
しかし、今この村から音楽が消えた。
人々は悲しんだ
どんなに音を出しても曲にならない
音は出るのに音楽にならない
響かないし、届かない
次第にこの村の人々は音楽を作ることを諦めてしまった
すると、小鳥のさえずりが聴こえてきた
木々のざわめきが聴こえてきた
それら全ては音色となって村人たちの心を癒した
彼らは自然の音に感謝した
彼らは失われた響きを取り戻すことができたのだ。
霜降る朝
変な時間に目覚めた
とりあえず窓を開けて見えたのは
ぎりぎり見える薄い星とビルの隙間から覗く朝日
朝日が昇るにつれて
靄がはっきりと靄になる
靄が霜だったことがわかる
霜の降る静かな朝
今日は寒くなりそうね
心の深呼吸
今日も頑張った私えらい…明日もきっと頑張れる
大丈夫だよ、大丈夫…きっと大丈夫だからね
生きるために必要な酸素を取り込むように
生きる価値となるやさしい言葉を創り上げ
なんで私なんかが何のために…楽しくない
明日も頑張れるのかな…いきたくないな
なんでなんでなんで、どうしたら楽になれるだろう
生きるために必要のない二酸化炭素を吐き出すように
生きる価値を問う言葉はかき消して
取り込んで吐き出して
創ってかき消して
吸って吐いて吐いて吐いて吐いてはいて…
私はちゃんと、吐き出せてるだろうか
心はちゃんと、吸えているだろうか
今日も心の深呼吸、ちゃんとできなきゃ生きられない
時を絆ぐ糸
うちの家宝は謎の糸
なんか青に見えたり赤に見えたりする糸
これは家宝といえるのか?
こんな頼りない糸がなぜ?
気になっておばあちゃんに聞いてみた
そしたら、おばあちゃんこう言った
「そう、赤く見えたのね…
ちょっと腕に巻いてごらんなさい、わかるはずよ」
えぇ、そんなんでわかるのか?と思いつつ巻いてみた
目の前が暗くなったと思ったがすぐに戻った
何か変わったのかな?
あたりを見回すと気づいた
おばあちゃんの家が綺麗だ、私の身長を刻んだ柱がない
隣の部屋に行くとそこには
若いママに、若いおばあちゃんにおじいちゃん
あと、誰か知らない人?
雰囲気でわかる結婚挨拶だ
どうやら私はママの結婚挨拶した日に来たらしい
けど、パパじゃない…
若いおばあちゃんがハッとした顔をして話してきた
「あら〜、えっと、隣の家の舞ちゃんじゃないの〜」
おかしい、私の名前は雪乃なのだ
「ちょっと送ってくるわね〜」
そう言っておばあちゃんは私を廊下に引っ張った
部屋に残る3人の声が聞こえてくる廊下
おばあちゃんは真剣な顔で言った
「貴方は多分未来からきたわよね?」
驚きつつ私は咄嗟におばあちゃんと言ってしまった
「そう、貴方は私の孫なのね
嬉しいけど今は置いとくわ、それより」
しかめた顔をしたおばあちゃんは聞いてきた
「もしかして、お父さんじゃなかったりしたかしら?」
当たっていることに驚いた
「そう、じゃあこれから言うことをよく聞くのよ」
1、腕に巻いた糸が青の時は正常
赤の時は未来が変わってしまうこと
2、この糸が青にならないと現代に戻れないこと
そんなことあるか?
いや、だから家宝なのか…
ここから私の命がかかる
時を絆ぐ糸との冒険が始まった。