Open App

時を絆ぐ糸

うちの家宝は謎の糸
なんか青に見えたり赤に見えたりする糸

これは家宝といえるのか?
こんな頼りない糸がなぜ?

気になっておばあちゃんに聞いてみた
そしたら、おばあちゃんこう言った
「そう、赤く見えたのね…
 ちょっと腕に巻いてごらんなさい、わかるはずよ」

えぇ、そんなんでわかるのか?と思いつつ巻いてみた
目の前が暗くなったと思ったがすぐに戻った
何か変わったのかな?

あたりを見回すと気づいた
おばあちゃんの家が綺麗だ、私の身長を刻んだ柱がない
隣の部屋に行くとそこには
若いママに、若いおばあちゃんにおじいちゃん
あと、誰か知らない人?
雰囲気でわかる結婚挨拶だ
どうやら私はママの結婚挨拶した日に来たらしい
けど、パパじゃない…

若いおばあちゃんがハッとした顔をして話してきた
「あら〜、えっと、隣の家の舞ちゃんじゃないの〜」
おかしい、私の名前は雪乃なのだ
「ちょっと送ってくるわね〜」
そう言っておばあちゃんは私を廊下に引っ張った

部屋に残る3人の声が聞こえてくる廊下
おばあちゃんは真剣な顔で言った
「貴方は多分未来からきたわよね?」
驚きつつ私は咄嗟におばあちゃんと言ってしまった
「そう、貴方は私の孫なのね
  嬉しいけど今は置いとくわ、それより」

しかめた顔をしたおばあちゃんは聞いてきた
「もしかして、お父さんじゃなかったりしたかしら?」
当たっていることに驚いた
「そう、じゃあこれから言うことをよく聞くのよ」
 
1、腕に巻いた糸が青の時は正常
         赤の時は未来が変わってしまうこと
2、この糸が青にならないと現代に戻れないこと

そんなことあるか?
いや、だから家宝なのか…
ここから私の命がかかる
時を絆ぐ糸との冒険が始まった。




11/26/2025, 3:48:34 PM