「まだ見ぬ世界へ!」
どのくらい歩いたのかな
きっと人が一生を終えるのと同じくらい
先の方に一粒のごまのようなものがある
近づいてみようかな
目の前には小さな、でも存在感の大きな扉があった
ふと、横に目をやると、
私より頭2つ分、背の違う子供が立っていた
女の子なのか男の子なのかわからなかった
「こんにちは」
子供の方から声をかけられた
その声は鈴のようだがどこか響く
「おとなのひと、めずらしい」
私は大人ではない
「おにいちゃん?おねえちゃん?」
どうやら、向こうも判別できないようだ
「いいや、おとなもここに、はいるの?」
私は迷った、この道で扉など一度も見ていない
まず、ここは道なのだろうか
「ここのとびらあけてあげる」
この扉を開けられるのは、この子供だけのようだ
「いってらっしゃい」
扉の外は光で見えなかった
「あなたのみらいにひかりがありますように」
私は心を決めまだ見ぬ世界へ飛び出した
「最後の声」
「 」
これがあなたの最後の言葉だった。
街の動く時間、公園で君は私と出会った
年齢なんてわからなかった、あなたも私も私服だったから
「 」
これはあなたの最初の言葉
なんて言ったかはわからない
だって耳が聞こえないから
あなたは私になにを言ったの?
きっと一生わからない
けれど、わかった気がする
あなたに届いたかな
私の出した最後の声が
「君と一生を共にしたい」
これが僕の最後の告白だった。
5時のチャイムの鳴り響く公園に、君は座っていた
一目惚れからだった、君とずっといたいと思った
「あなたに一目惚れしました」
これは僕の最初の告白
君はどう思ったんだろう
君が僕の目を見る
君の顔には疑問が浮かぶ
なんでそんな顔をしてるの?
きっと僕にはわからない
けれど、気づけたんだ
かすかに声が聞こえたんだ
君から聞く最初の声が
「ありがとう」