BORN

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「まだ見ぬ世界へ!」
どのくらい歩いたのかな
きっと人が一生を終えるのと同じくらい
先の方に一粒のごまのようなものがある
近づいてみようかな
目の前には小さな、でも存在感の大きな扉があった
ふと、横に目をやると、
私より頭2つ分、背の違う子供が立っていた
女の子なのか男の子なのかわからなかった
「こんにちは」
子供の方から声をかけられた
その声は鈴のようだがどこか響く
「おとなのひと、めずらしい」
私は大人ではない
「おにいちゃん?おねえちゃん?」
どうやら、向こうも判別できないようだ
「いいや、おとなもここにはいるの?」
私は迷った、この道で扉など一度も見ていない
まず、ここは道なのだろうか
「ここのとびらあけてあげる」
この扉を開けられるのは、この子供だけのようだ
「いってらっしゃい」
扉の外は光で見えなかった
「あなたのみらいにひかりがありますように」
私は心を決めまだ見ぬ世界へ飛び出した

6/27/2025, 11:49:46 AM