彷徨う小話

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6/20/2024, 10:47:00 AM

『あなたがいたから』

私はあなたを許さない。

あなたがいたから、希望を持てた。
あなたがいたから、沢山遊べた。
でも
あなたがいたから、悲しくなった。
あなたがいたから、この世を憎んだ。

あなたがいたから。
あなたが死んだ時、虚しさに襲われたんだ

6/20/2024, 6:11:48 AM

『相合傘』

貴方が傘を忘れた時、
いつでも私が傘をさした。

私は貴方の隣に。貴方は私の隣に。
幼い頃から、ずっと一緒だと思い込んでいた。
貴方が傘を忘れるのを、一人望むこともあった。

貴方は私を「友達」と。私は貴方を「  」と思っていた。

私は、貴方が他人に傘をさしているのを見た。
貴方の、友達なのだろう。

臆病な私は、一人傘の下で、それを見ているだけだった。

雨は、冷たかった。

6/2/2024, 12:34:29 PM

『正直』

私は、正直に物を言うのが苦手だ。
私は、心の内を吐露するのが苦手だ。

身内のように、鍵垢を使って愚痴るのも、自分の好きを語るのも。
正直に物を言って、引かれるのが怖いから。

……でも。正直に。本音で言い合える仲には、憧れるな

5/28/2024, 6:45:13 AM

『天国と地獄』

貴方と一緒に、あの世から消えた日。
あの世で、唯一私を理解してくれた貴方。
あの世で、一緒に蒼い世界に溺れた貴方。

この世に来たら、貴方は天国で、私は地獄に居たいと願った。
………貴方は、ここに来るべきじゃないのに。

なんで、ここでも一緒に居るの。

4/12/2024, 6:23:03 AM

『言葉にできない』

私は、自分の気持ちを言葉で表すのが苦手だ。

告白された時、了承した時
同棲した時、一緒に料理を作った時。
お店に買い物へ行った時、病気の貴方を看病する時。
そして、永遠の別れが来た時。

私が何をどう感じていたのか、何も言葉にできない

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