『不条理』
今回は、私の実体験だ。
私の周りには、病を持った人が沢山いる。
精神病、持病、難病…発達障害。
その中に、てんかんで死んでしまった兄も居る。
持病を持った母は、いつも言っていた。
「望んで病気になったワケじゃ無いのに、健常者よりもお金を払わなければ生きていけない」「薬を飲むのが辛い。」「あの子も、薬を飲むのが嫌だったから…飲まずに、死んじゃったのかもね」
…この世の不条理は。
持病、発達障害、難病。
どれか一つでもかかってしまえば、健常者に戻れなくなることだ。
産まれた時、成長時に起こる格差だ
『泣かないよ』
泣き虫の私は、お姉ちゃんに頼りきりだった
勉強、人間関係、時間、マナー、感情、視線。
少しでも嫌なことを考えれば、勝手に涙が溢れ、お姉ちゃんに泣きついた
でも、私より、お姉ちゃんが一番泣きたかったんだ。
だから、私は、泣かない。
…お姉ちゃんを支えれたのは、私だけだったから
『怖がり』
人と話す時、人とすれ違う時、話し声が聞こえる時。
親と話す時、親を見かける時、怒鳴り声が聞こえる時
妹が俺を見る時、妹が寄り添おうとする時。
いつも、恐怖心が芽生えるのは何故だろう
いつも、不安感が精神を巡るのは何故だろう
恐怖心に覆われた身体は、いつしか動かなくなった
『星が溢れる』
僕は、不死身だ。
不死身だから、空に還れない
輝く星になれない
周りの者は、不死身でない。
不死身じゃないから、空に還れる。
輝く星になれる。
長い年月が経ち、僕の友達は、みんな星になった。
きっと、これからも…
空には星が増え。溢れるのだろう。
僕独り残して、溢れるのだろう
『安らかな瞳』
綺麗な、瞳だった。
瞳は、その人の積み上げた経験を写していた
でも、今は、動かない瞳だ
そこにあるのは、眠るように棺へ入った、兄さんだった。
頭が働かない中。
安らかな瞳だけが、私の視界に入っていた。