ふと
見上げる星空
誰かが名付けた
星座を探す
明けていく空
輝いていた星々が
空色に飲み込まれて
見えなくなる
消滅したわけではない
確かにそこに存る
明る過ぎて
見えないだけ
まるで
闇に飲まれるまで
忘れていた
大切なもののよう
心が疲れたら
星空を見上げてみよう
瞬きながら奏でる
星たちの歌を聞こう
「星座」
別れた魂達が
あの星この星で
再び出会い
手を繋いで踊る
慣れないダンスで
戸惑いながら
時々踏みあった
足に血を滲ませ
曲が変わる度に
相手を変え
また初めてのように
ぎこちなく
かみ合わない
互いのリズムに
導きながら
導かれながら
踊る
踊る
踊りませんか
心ゆくまで
足の痛みさえ
忘れるほどに
踊りませんか
飽きるほどに
二人だけの
新しいダンスを
「踊りませんか?」
どんな思い出も
今なら
笑って語り合える
そんな気がする
誰がどうだった
なんて事よりも
あの時
心も体も思考も
ただ若かった
そんな自分を
思い出す
恋や愛
友情
痛みを味わい
優しさを知り
欲望と誠実さの
狭間で迷い
いつしか全てに
背を向けて
皆
それぞれの道を
歩んで行った
あの時の友
あの時の恋人
ちょっと笑い合った
名前さえ
記憶に無い人
もしいつか
巡り会えたら
同じ世界で
同じ時代を生き
一つの物語を作り上げた
同志として
きっと
懐かしく
微笑み合うだろう
「巡り会えたら」
黄昏の空
出番が来たとばかりに
一つまた一つと
星達が光り出す
最後には
星を眺めながら逝くのも
悪くはない
見えなくても
確かに感じた
髪なびかせる
爽やかな風
見えなくても
確かに感じた
泣ける程の
沢山の愛
確かに生きた
人生の軌跡は
人跡未踏の地に咲く
名も無き草花のように
そのうち
忘れられて行くけど
命が巡り
この地に立つ事が
また
あるのなら
風よ
今日のような
美しく空の染まった
たそがれ時に
その手で
おかえりと
この頬を撫でて欲しい
「たそがれ」
午前0時
目覚めたまま
迎える
今日と明日の境目
夢の後なら
昨日とは少し違う
区切りと朝を
感じるけれど
最近
一日が早い
君は
眠りにつけただろうか
相変わらず私は
いつもと変わらず
君も知ってる
真夜中のルーティン
何故だろう
朝方にカーテンが
明るさに透けてくると
寂しくなるのは
そろそろ
眠くなってきたよ
君は今頃
通勤電車の中
見慣れた景色を
眺めてる頃
目覚めてすぐ
思い出すのは
君の事
ただ
君の事
きっと明日も
明後日も
「きっと明日も」