風信子

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11/24/2022, 2:16:45 PM




編み物好きな母が昔
編み機で編んでいたセーター

何とも言えない色のセンスを
今でも覚えてる

子供の頃毛糸を頼んだら
買ってきたのはオレンジ色

蛍光色に近いその毛糸で
悩んだ末にマフラーを編んだ

色的にどうにも使う気がせず
後で解いてしまったっけ



帰省するといつも
日が差し込む和室の窓際で

操作し易いラジカセを傍に置き
好きな演歌を聞きながら

ちょこんと座って
黙々と何かを編んでた母

きっと今年の冬も
まだ宛ては無い誰かの為

冬の足元を温める
靴下なんか編んでるんだろう



「セーター」

11/23/2022, 11:17:25 PM




落ちる所まで落ちたと
嘆いていたらその先に

もっと深く暗い穴が
待ち受けていて

とうとうここまで来たかと
思いがけず涙ぐむ

白や青の錠剤を
口の中に放り込み

投げやりな気分でいた
その先にまた

笑うようにぽっかりと
口を開けている穴

もはや
抵抗する気力も無く

吸い込まれるように
落ちて行くのを

無気力に受け入れながら
巡らせる思考



偶然を疑うような運命や
変えようもない宿命が

誰のせいでも無い事を
どこかで知っている

誤魔化しの無い
自分のままでいる事や

誠実でいる事の
難しさや虚しさ

良い人でいる事の
滑稽さや無意味さ


答えがあって欲しい
そんな事を思いながら

目覚める度に感じていた
あの絶望を思い出す



確信の持てない選択と
求めていなかった結果

結果の先にも道は続き
欲望だけが生きる証

思考の先にも
上にも下にも

何の応えも
果ても無い



「落ちていく」

11/21/2022, 2:28:35 PM



どうすればいいの?

痛くて
辛くて
苦しくて

突然に襲う激しい痛みに
絡まりそうな足を
必死に立て直しながら
僕は青い顔で走り出す

またか⋯


こんな時はいつもそう
後先なんか考えられず
歪む顔を伝う冷えた汗を
拭う事さえ出来ない

爆発しそうなこの苦しみは
今までも何度もあった
それでも耐えられない
どんなに歯を食いしばっても


まるで僕を嘲笑うように
何度も襲う痛みと
僕の人生を破壊するかもしれない
爆発した時の恐怖

何が悪かったというのか
いや⋯
きっと自分にしか分からない
そんな事は百も承知


あり過ぎて分からない原因
こんな時は
海にでも飛び込んでしまいたい
そんな気持ちを宥めながら走る


そして
やっと辿り着いた


僕を痛めつけるそれを
まるで親の仇のように
激しい音と共に思い切り
奈落の底へ送り込む


もう大丈夫⋯


力んで石の様に固くなっていた
身体中の力がスルスルと抜け
僕は思った

今なら飛べるかもしれない・・・と



深く深く
安堵のため息を吐きながら
ふと視線を向けた先を見て
戦慄が走る


新たな恐怖が僕を襲う






ティッシュが無い⋯




「どうすればいいの?」

11/20/2022, 1:43:19 PM




流れる季節と共に
移ろう心

全ては変わって行く


それでも


あの時の二人の
あの想いは
あの言葉達は
あの愛は

嘘ではなかったと

心から
信じられる



今は二人
違う空を
見上げているけど


誰も知らない
あの二人だけの時間は

決して
忘れる事は無い


それは

貴方が
私の為に描いてくれた
あのチューリップの絵と共に


変わる事の無い


永遠の宝物



「宝物」

11/19/2022, 10:18:03 AM








キャンドル















ハンドル







サドルに
ペダルに⋯






あかん

どうしても
あの歌が脳裏に⋯




🎤🕶⸒⸒ ジテンシャコイドル〜♪



🕯 「キャンドル」

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